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不動産投資で1棟目を購入した後、2棟目以降に進めなくなる--そんな声は珍しくない。「向いていなかった」「センスがなかった」「良い物件に巡り会えなかった」「金融機関が貸してくれない」といった言葉で片づけられがちだが、不動産投資アドバイザー・木村洸士氏はそのすべてを「本質的な原因ではない」と断言する。
 
では、何が原因なのか。木村氏が指摘するのは「戦略を作らなかったこと」という一点に尽きる。
 
1棟目でよく見られる失敗として、木村氏は節税目的での購入と頭金の過剰投入を挙げる。節税を目的にした物件は、そもそも利益を生む構造になっていない。金融機関はその実態を見透かしており、「儲からない商品」と判断した相手には次の融資を出しづらくなる。また、頭金と諸経費を合わせて多額の自己資金を投入してしまうと、その回収に長い時間がかかり、追加融資の評価にも悪影響を及ぼす。
 
「最初に買った物件を、次の金融機関は必ず見る」と木村氏は述べる。1棟目の収益性や入居率が低ければ、2棟目の審査は厳しくなる一方だ。
 
こうした状況を避けるために木村氏が強調するのが「未来思考」だ。たとえば「5年後に月いくらの利益を得たいか」というゴールを先に設定し、そこから逆算して必要な物件の条件を定める。受験でいえば志望校と現在の学力差を把握してから学習計画を立てるのと同じだ、と木村氏は説く。
 
さらに重要なのが融資戦略だ。金融機関によって融資条件は大きく異なり、「1棟目にしか融資しない」「特定の物件種別には出さない」など制約もさまざまだ。どの銀行をどの順番で使うかを事前に設計しておくことで、将来の選択肢を潰さずに買い進めることができる。手当たり次第に持ち込む姿勢では、本来後で使えるはずだった金融機関を早々に消費してしまうリスクが生じる。
 
物件を買うことよりも、この設計図を先に構築することの方がよほど重要だ--木村氏はそう総括する。
 
アフタートークでは、神奈川県で利回り10%のアパートをフルローンで取得した事例が紹介された。高利回り物件で序盤の実績を積み上げ、その後は安定利回りの物件で計画的に買い進めていくというプランの具体例だ。

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