学生の窓口編集部

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人が死の間際に詠む和歌や詩を「辞世の句」といいます。戦国時代の武将たちが残した辞世の句は、美しいものや格好いい、また男らしいものが数多くあります。今回は、そんな戦国武将たちの「辞世の句」を紹介します。

●「先に行く あとに残るも同じこと 連れて行けぬをわかれぞと思う」(徳川家康)

戦国時代の三英傑の一人、徳川家康の句です。「先に死ぬのも残るのも同じこと。一緒に行けないことが別れなのだな」といった意味でしょうか。

●「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」(豊臣秀吉)

次は豊臣秀吉の辞世の句です。「私の人生ははかなく生まれはかなく消えていく。大坂で過ごしたことも夢だったかのように……」という意味でしょう。激動の人生を送っても、死ぬ間際はこう思うこともあるのですね。

●「曇りなき心の月を先立てて 浮世の闇を照らしてぞ行く」(伊達政宗)

独眼竜の異名で知られる伊達政宗の句がこちらです。「自分の人生は、暗闇の道を曇りのない月の光で照らして突き進むようなものだった」といったところでしょうか。豪快だったといわれている政宗公の性格が出ているようです。

●「夏の夜の夢路はかなきあとの名を 雲井にあげよ山ほととぎす」(柴田勝家)

織田家の家臣として長く活躍した柴田勝家が残した句です。「夏の夜の夢のようにはかない私の名を後の世まで伝えてほしい」という内容です。
●「極楽も地獄も先は有明の 月の心に懸かる雲なし」(上杉謙信)

「越後の虎」という異名を持つ戦国時代屈指の武将、上杉謙信の辞世の句です。意味は「この先が極楽だったとしても地獄だったとしても、自分の心は雲のない月のように晴れ渡っている」といったところでしょうか。

●「五月雨はつゆかなみだか時鳥(ホトトギス) わが名をあげよ雲の上まで」(足利義輝)

室町幕府の第13代征夷大将軍、足利義輝が残した句です。「この雨は露なのかそれとも私の涙なのか……ホトトギスよ、どうか私の名を天高く広めてくれ」という意味になります。ホトトギスはよく登場しますね。

●「筑摩江や芦間に灯すかがり火と ともに消えゆく我が身なりけり」(石田三成)

関ヶ原の合戦で西軍の中心となって戦った石田三成の辞世の句。「筑摩江の漁師がたくかがり火のように私の命もはかなく消えていくのだ」といった意味になるのでしょうか。筑摩江は三成の故郷、近江(滋賀県)にある入り江のことです。

●「おもひおく言の葉なくてつひに行く 道は迷はじなるにまかせて」(黒田官兵衛)

現在放送中の大河ドラマの主役である黒田官兵衛はこのような辞世の句を残しています。「一言も思い残すことなくこの世を去る。道に迷うこともなく、成り行きに任せることにしよう」という意味の句ですね。

戦国武将たちは死の間際にこのような句を残しています。激動の世を生きた人たちですが、未練よりもすがすがしさを感じるものが多く見られます。私たちも、こうした美しく、そして格好いい句を残して旅立てるような人生を送りたいものですね。

(中田ボンベ@dcp)