彼はドラマ「I do I do」が最終回を迎えたばかりだが、ミュージカル「ヘドウィグ」の練習の真っ最中である。自然にチョ・ウンソンというキャラクターと別れたという彼は「もう僕は『ヘドウィグ』のキャラクターになりきっています」と語り、演技変身に対する自信に満ち溢れた姿を見せた。

ミュージカルの魅力について語った彼はドラマとミュージカルで活躍している俳優オム・ギジュンとユ・ジュンサンへの応援メッセージも忘れなかった。

「本当は僕もオム・ギジュンさんが出演しているSBSドラマ『幽霊』が見たかったのですが、『I do I do』の撮影で見ることができなかったんです。ユ・ジュンサン先輩もうまくやっています。皆一緒に舞台で活動している、気心知れた仲間ですよ。ミュージカル俳優出身の仲間が多くの人に認められたような気がして嬉しいです」

人生に余裕を持っている彼の姿からは、俳優として着実に成功への道を歩んできたように見えるが、彼は20歳から除隊後の25歳まで、夢を叶えるために熾烈に前進した。

「僕はインタビューをしているこの瞬間に感謝しています。家に帰ったらこういうことを考えます。僕は何もない人間でした。大学受験に失敗してバイトをしていました。バイトというのはキュートな表現です(笑) きついバイトを散々やりました。裕福な家庭ではなかったので、親に『俳優になりたい』と話した後、バイトを始めました。当時、江南(カンナム)駅のパン屋さんの前で化粧品を販売したこともあります。『お肌の状態を診断します』という言葉が口にできないほど恥ずかしかったです」

昔のことを笑いながら話せるこの瞬間がありがたいというパク・コニョン。彼は人生の切実さに気づいたときだったと当時を回想した。

「与えられたものに感謝して、それがなければないまま生きていけるという知恵を教わりました。また自分にあるものは仲間や親友と一緒に共有するようになりました。あのとき、そういう経験をしなかったら、今の僕は存在しないはずです。これまでの経験があったからこそ『大変でも切に強く願えば夢は叶う』ということを僕は信じています。僕の生き方が誰かの夢になってほしいです」

自身の辛い経験をかけがえのない経験だったと思っているパク・コニョン。今後彼が演じるキャラクターが期待できる。

「具体的にどのような俳優になりたいなどは考えていません。ただ今日が幸せであれば、十分です。明日という日にも感謝しながら生きていき、そして僕が死んでからの評価が僕の道でしょうね。修飾語で呼ばれたくはありません。故イ・テソク神父の物語を描いた映画『泣かないで、トーンズ』を見れば、イ・テソク神父が見返りがほしくてやったわけではないことが分かりますよね。僕も僕の演技を通じて誰かを癒すことができ、誰かに喜んでもらえれば十分です」

彼は演技を料理に例えて自身の演技の哲学について語った。

「レストランのシェフにとって一番いいプレゼントは食べ終わったあとのお皿だと思います。僕も愛する人のために料理をするという気持ちで演じています。今日、夕食を美味しく食べて幸せな気持ちになればそれで十分です。明日もまた食べたいなと思ってくれたらさらに嬉しいでしょうね」

演技を通じて喜怒哀楽を語る彼の真摯な姿に集中していたら「疲れましたか」と誤解されてしまった。退屈だから疲れているのではなく、誰かを癒してあげるようなオリジナル料理を見つけるという彼の言葉について考えていた。