スポニチ

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 アイドルグループ「ピュアリーモンスター」の塙有咲が大切にしている言葉に「雑草魂」がある。声優、アイドルという夢を追う中では、両親からの反対やオーディション落選など、決して楽ではない時間も経験してきた。それでも歩みを止めず、前を向き続けてこられた理由とは――。そこには、完璧ではなくても自分を応援してくれるファンの存在と、“どんな場所でも成長の糧に変える”というゆるぎない信念があった。(「推し面」取材班)

 幼い頃から歌って踊ることが好きだった。最初の夢は歌手。しかし学生時代、友人の影響で声優という職業に出合ったことで人生が変わる。「その頃にたまたま深夜アニメを見て、これを演じているのが声優さんなんだって知って。声優になったら歌も舞台もナレーションも、自分がやりたいことが全部できると思ったんです」。憧れは、やがて進むべき道になった。

 だが、その道のりは決して平坦ではなかった。進路を巡って両親とは大げんかになり、一度は就職。働きながら自分で貯めたお金で養成所へ通った。「オーディションも全然受からなくて、最初は凄く折れました」。それでも、「経験が足りないんだと思って、ずっと勉強の日々でした」と振り返る。約3年後、アニメ「絆のアリル」の仕事が決まった時には、「やっと少し恩返しができたかなと思いました」と声を弾ませた。

 アイドル活動でも壁はあった。ダンス経験はゼロ。さらに「アイドル現場では、どうしても可愛い子が目につきやすいのかなって」と、自信を持てなくなった時期もあったという。

 そんな時、支えになったのがファンからの言葉だった。

 「“完璧を求めてないよ。楽しそうに踊ってる姿が見たいから、間違えてもいいよ”って言っていただいて。その時に、完璧じゃなくてもいいんだって思えたんです」

 その一言で気持ちが軽くなった。「今の自分を好きでいてくれるファンの方を大切にしよう」と考えられるようになり、ステージへの向き合い方も変わっていった。

 声優としての武器については、「自分の声にはあまり特徴がないと思う」と分析する。一方で、「特徴がないからこそ色付けができる」とも語る。キャラクターの感情や“マインド”を大切にしながら役に向き合う姿勢に、積み重ねてきた時間がにじむ。

 来年、グループは結成10周年を迎える。「ここまでつないできてくださったメンバーや、支えてくださったファンの皆さんに恩返しがしたい」。アニメタイアップ、そして声優としての出演という夢も見据える。

 雑草のように、どんな場所でも根を張ってきた。遠回りも、悔しさも、全部抱えながら進み続けた先に、今のステージがある。