「諦めて」のサビに重なる私の過去――限りなく白く・二葉優莉愛 一度手放した夢の先でつかんだ“真っ直ぐな覚悟”
北の大地・北海道を拠点に活動するアイドルグループ「限りなく白く」が、初の全国流通盤シングル『青春の種』をリリースした。待望の全国進出という華やかな光の裏で、メンバーの二葉優莉愛がソロインタビューで語ったのは、「届いてしまうこと」へのリアルなプレッシャーと、かつて夢を諦めかけた自分自身の過去、そしてステージにかける真っ直ぐな覚悟だった。(「推し面」取材班)
全国のCDショップに自分たちの作品が並ぶ。その事実は大きな喜びをもたらすと同時に、1人の表現者の背中に重い重圧となってのしかかった。
「正直すごいプレッシャーを感じました。全国に私たちの声が届くってなると、みんなにちゃんと満足してもらえるのかっていう不安があります」
だが、湧き上がる不安のままで終わらせるつもりはない。「でもやっぱりうれしかったですし、皆さんに“いいものが届いたな”って思ってほしい気持ちがあるので、いっぱい聴いてほしいです」と、すぐに前を向く強さがそこにはある。
全国のリスナーを惹きつける最大の武器は、ファンからも絶賛されるその「歌声」だ。ルーツをたどれば、学生時代からほぼ毎日のように、1人でカラオケボックスに足を運んでは、乃木坂46やback number、シンガー・ソングライターの楽曲など幅広いジャンルを歌い込んできた過去に突き当たる。孤独にマイクを握り締め、喉を鳴らし続けたあの時間が、今の確かな土台になっている。
そんな実力派の歌声が、最も熱く、エモーショナルに響く瞬間がある。作中の切実なサビに登場する、「諦めて」という歌詞だ。夢を追うことを「諦めて」と突き放されるようなフレーズ。ここには、二葉優莉愛という人間の生々しいドラマが詰まっている。
「私は一度アイドルになるためのオーディションを諦めてしまったことがあって、あの頃の自分と重ねてしまって熱くなっちゃいます」
奇麗に歌い上げることよりも、泥臭く感情をぶつけること。落サビの盛り上がりで響かせる「♪憧れ続けた見たことのない輝き」は、言葉自体も深く愛している大切なパートだ。
「最後に一番盛り上がるところで精いっぱい歌わせていただけるのがすごく幸せです。力も入りますし、高いパートなんですけど、ぜひ聴いてほしいなと思います」。振付の先生からも「好きにやっていいよ」と全幅の信頼を寄せられ、自由に、そして精いっぱいのパフォーマンスで歌詞をフロアへと注ぎ込む。
熱狂のコールを誘うのではない。客席が思わず静まり返り、じっとその歌声に耳を傾ける瞬間がライブハウスに訪れる。
「盛り上がるというよりかは、しっかり聴いてくださっている感じがしますね。ファンの方と目が合うのでうれしいです。ありがたいことに声を褒められることがすごく多いので、全体的に私の声も聴いてほしいなって思っています」
一度は夢の舞台から足をもぎ取られそうになったからこそ、いま目の前にいる一人ひとりの視線が、どれほど奇跡的なものかを知っている。見たことのない輝きを追い求めて、今日も真っ直ぐにマイクを握り、北の空から全国へとその歌声を響かせていく。
