マスク氏率いるスペースX、IPOで過去最大12兆円調達へ…時価総額は280兆円規模の見通し
【ニューヨーク=木瀬武】実業家のイーロン・マスク氏が率いる米宇宙企業スペースXは3日、6月に予定する新規株式公開(IPO)で750億ドル(約12兆円)を調達すると発表した。
IPOの調達額としては過去最大となる。発行済み株式を含め、上場後の時価総額は約1兆7700億ドル(約280兆円)に上る見通しだ。
同日付で米証券取引委員会(SEC)に提出したIPO関連の書類で、公開価格を1株135ドルとし、新たに5億5555万株を売り出すと明らかにした。2019年にサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが調達した約290億ドルを上回り、史上最大のIPOになる。
調達した資金は、AI(人工知能)向けデータセンターの整備や再使用型ロケットの打ち上げインフラの整備強化、衛星通信網「スターリンク」の拡充などに充てる。マスク氏は太陽光が豊富な宇宙にデータセンターを作ったり、AI向け半導体を量産したりする構想も掲げており、巨額の資金を必要としている。
ロイター通信によると、公開価格は機関投資家らへの説明後の11日に設定される予定だったが、1週間前倒しされた。米国のIPOで説明前に決定するのは異例とされ、調達額の最大化を狙うマスク氏の意向が働いたとみられる。
スペースXは、2月にマスク氏が経営していた対話型AI「グロック」を手がけるAI開発企業「xAI」を傘下に収めた。IPO後には、マスク氏が経営トップで大株主の米電気自動車大手テスラと合併するとの観測も出ている。
