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【経済ニュースの核心】

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 実業家の前澤友作氏が率いる「カブ&ピース」が、2026年1月期(第2期)の決算概況を公開した。

 カブアンドは、「お金配り」で話題になった前澤氏が24年にはじめた新サービスだ。同社が展開する電気・ガスなど生活インフラサービスを利用することで、同社の未公開株を受け取れる「株引換券」を得ることができる仕組みだ。

「前澤氏がお金配りをやめて、株配りに転換した新ビジネス」(市場関係者)で、「ポイント感覚で株主になれる」というのが売り文句だ。

 現在、ガスやモバイル通信、ネット回線、ウオーターサーバー、ふるさと納税といったサービスが提供されている。前澤氏によれば「当期のサービス利用金額(GMV)は、前期の120億5200万円から大幅に伸長し、1122億4900万円に達した」という。

「ふるさと納税」とクレジットカードサービス「カブ&カード」の利用額拡大が主因で、売上高も前期の約5倍、80億円へと急増した。

 一方、損益面では投資回収フェーズには至っておらず、通期で14億9600万円の営業損失を計上した。

 とはいえ下半期(直近6カ月)の損失は3億7400万円まで縮小しているほか、26年2月には単月で2億円を超える営業利益を達成しており「近いうちに黒字に転換する」と強気の見方を示している。

 焦点となる株主数は前期末の約69万人から約13万人増加し、82万3947人となった。

 これは国内上場企業の株主数ランキングにおいて第8位に相当するとされる。第2期中には初のイベント「カブ&総会」をKアリーナ横浜で開催し、約1万1000人を動員するなど、株主コミュニティーの熱量もアピールしている。

 自社株の価値を示す発行価格については、第1期の3円、第2期の6円を経て、第3期は8円に決定した。また「カブ&トラベル」「カブ&モバイル 海外」「カブ&メディカル」の3つの新サービスを順次リリースし、計14体制へと拡充する計画だ。

 ただ、留意が必要なのは株式の性質だ。

 還元される株式には議決権がなく、会社の経営には関与できない。また、譲渡には会社の承認が必要で、自由に売買できない。さらに残余財産の分配権もないため、仮に会社が清算された場合は残余財産の分配を受けられない。

 これらの制約があるため、還元される株式は「投資目的」ではなく、「サービス利用の特典」として位置付けられている。

 金融関係者の間では、事業リスクとして「法規制」が指摘されている。事業の根幹である「株引換券」と「未公開株式」の仕組みが、金融商品取引法上の位置付けや今後の法規制の動向に大きく左右されるためだ。現時点では有価証券に該当しないと解釈されているが、将来的に規制強化や制度変更が行われた場合、ビジネスモデルの継続に支障を来す可能性があるというわけだ。

 カブアンドは上場に向けて証券口座開設の案内を順次開始しているが、上場申請の時期や可否については未公表だ。上場までには、まだ紆余曲折がありそうだ。

(森岡英樹/経済ジャーナリスト)