Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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6日、高校の部活で移動中のマイクロバスが、福島県の高速道路でガードレールなどに突っ込み1人が死亡、多数の重軽傷者が出る事故が起きました。バスはレンタカーで運転手は学校関係者ではない無職の男性でしたが…、静岡県内の高校では同じような部活の移動でどうしているのでしょうか。取材しました。

新潟市の北越高校。男子ソフトテニス部の部員20人が6日、部活の遠征で福島に向かう途中、事故に巻き込まれました。17人が重軽傷。17歳の稲垣尋斗さんが車の外に投げ出され亡くなりました。

捜査関係者によると、現場に明確なブレーキ痕などは残っていなかったといいます。運転していたのは68歳の男性。

(運転手・68歳)
『私が運転してぶつかった。事故を起こした」

学校の関係者ではなく、今回の遠征用に手配された人物です。手配したのは新潟県内のバス会社「蒲原鉄道」。7日、国交省の職員による立ち入り調査が行われました。

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
「関係各所に説明に回っている。きのうからお話しする内容に変わったことはない。申し訳ありません」

「蒲原鉄道」は、これまで何度も北越高校からの依頼を受けていたといいます。

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
「北越高校から依頼は非常に多い。今回は、貸し切りバスを使わずに、レンタカーを使って送迎をしたいという話をいただいたので…」

バス会社の説明はこうです。1か月ほど前、ソフトテニス部の顧問から、「遠征用のバスの手配をしてほしい」「レンタカーでお願いしたい」「運転手もお願いしたい」と依頼があり、通常、貸切バスの依頼しか受けていませんが、学校がお得意様だったため
手数料なども取らず、無償でレンタカーとドライバーを手配することに…。

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
「今までのお付き合いの中で、手間をお手伝いした形」

(蒲原鉄道 金子 賢二 営業担当)
「僕の方でレンタカーを頼んだ。北越高校の部活名で頼んでいますので…」

その際、実際に運転するドライバーの免許証ではなく、バス会社の営業担当者の免許証を提示して借りたといいます。ただ、このレンタカー会社の規約では、運転する人全員の免許証の提示が必要となっています。

(蒲原鉄道 金子 賢二 営業担当)
Q.提示してない方は運転できないんじゃなかったかなと?
「ああそうですか。だから運転する人がみんな手続きに行くということなんでしょうかね?すみませんでした。申し訳ありません。初めて知りました」

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
「他の運転手が運転することは、レンタカー店には連絡してない?」

(蒲原鉄道 金子 賢二 営業担当)
「してない」

規約についての認識はなかったようです。

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
「契約の内容がどうだったというのは、今ちょっとよく分かっていなかったので申し訳ないですけど」

続いてドライバーの手配について、今回運転していた68歳の男性は、担当者の知人を通して紹介してもらった人だといいます。

(蒲原鉄道 金子 賢二 営業担当)
「今回のドライバーは初めてお会いしました」
Q.直接そのドライバーの方とのやり取りは?金子さんはされてない?」
「電話では3回ぐらいはありますね。工程だとかスケジュールだとか」
Q.これまでの経験とか、あるいは自己歴とか、そういったことの確認というのは?
「していませんでしたね。名前は聞いてましたけども、さっき言ったように2種(免許)お持ちですよと」

ドライバーの謝礼については、学校側が払うと思っていたとしていて、バス会社としては、どことも金銭的な利益のない、ただのお手伝いだったと主張しています。

(蒲原鉄道 茂野 一弘 社長)
Q.何年くらいそういうところがありましたか?
「過去にはあったという聞いておりますので、いつ頃からか正確に言えることではないので」

事故の責任はどこにあるのか。ドライバー、バス会社、学校。それぞれ刑事責任の対象になる可能性について…。

(交通問題評論家 加茂 隆康 元弁護士)
「刑事責任の対象になるのはまずドライバーですね。ドライバーは絶対に刑事責任の対象になります」

警察は過失運転致傷の疑いで男性運転手に任意で事情を聞いています。

(交通問題評論家 加茂 隆康 元弁護士)
「バス会社の方も、白タクの可能性があるということであれば、一応、刑事責任として考慮の対象にはなるかと思います」

つまり、バス会社とドライバーの間で金銭のやり取りがあった場合、刑事責任に問われる可能性があるといいます。

(交通問題評論家 加茂 隆康 元弁護士)
「学校側は、単にバス会社に生徒の安全な移動を要請していただけですので、刑事責任という観点からは学校側の責任は問えないんじゃないかなと考えてます」

学校側は、7日夜、臨時の保護者会を開き、事故の経緯などを説明する予定です。

今回、移動に使われたのはレンタカーで、運転していたのは学校の関係者ではない無職の68歳の男性でした。

静岡県内の高校では部活の移動に関して、ルールはあるのでしょうか。

県立高校の対応について静岡県の教育委員会に聞いたところ「教職員が運転することは基本的に禁止」ですが、「レンタカーの使用や教職員以外の運転については特に決まりはない」とのことでした。

一方、県内の複数の私立高校に話を聞いたところ、「バス会社への委託が原則で、教員や保護者が運転してはならず、バスを利用する際は必ず稟議書をあげて許可が必要」というところや、「基本的には学校のマイクロバスを使い、顧問や保護者が運転することもあるが、必ず複数名が運転できる場合に限る」「学校のマイクロバスも運転手は業者に委託するが、やむを得ず職員が運転する場合は3カ月以上事故がないという証明書の提出が必要」など、一定の決まりがある学校が多く見られました。

一方で、職員や保護者が運転している学校からは、「毎週遠征があるためバス会社に委託するのは費用的に不可能」という声も聞かれました。

教育現場の安全管理に詳しい専門家は…。

(常葉大学 教育学部 木宮 敬信 教授)
「安全というのは基本的にはお金で買うもの」

しかし、実際は難しい点も多いといいます。

(常葉大学 教育学部 木宮 敬信 教授)
「学校の事情によって様々ですから、なかなか統一したルールを作るというのは難しい。毎週のようにたくさんの部活動が同じような活動をしています。これを1つ1つ学校がチェックをしていくことはかなりの労力で。なかなか学校の目が届きにくい、そういった状態になっている部活動というのも多々あるということも事実」

(スタジオ解説)

(徳増 ないる アナウンサー)
なかなか対応が難しいというお話もありましたが、坂口さん、今回の悲しい事故を受けて、どんなことを考えましたか?

(コメンテーター 経営コンサルタント 坂口 孝則 氏)
これ、「白タク」ならぬ「白バス」っていう事態だったら…そこまで言いませんけど見直しは必要だと思うんですね。いろいろな学校のルールあるかと思うんですが、やっぱり生徒の命を守るというのが一番なので。これ、例えばですけど、65歳以上のドライバーの管理責任って多分あると思うので。健康チェックとか必要で、多分、これやっていたのかという観点もありますよね。あと一つが、これはお金をある程度かけて、保護者から…例えばちゃんとお金を募るとか、そういうふうな、部活ごとの統一見解があってもいいのかなという気はしますけどね…しろちょっと残念な事故だと思います。

(徳増 ないる アナウンサー)
そうですねできるチェックや対応を…津川さん、考えたいですね。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
そうですね。

(徳増 ないる アナウンサー)
まず、けがをされたお子さんが、一刻も早く回復することを願います。