Image: VesnaArt / Shutterstock.com

幸せになれたのは経営者だけ…?

北米では大企業の思い切った人員削減が相次いでいます。AIに仕事を奪われた人たちは、どうやって新たな仕事に就いているのでしょう?そもそもAIは人を豊かにするはずだったのでは? 大手IT企業の現実を注視すると、その答えが見えてきそうですよ。

二大企業が大リストラを予告

このほどBloombergは、Meta(メタ)が近いうちに正式通知する同社従業員への解雇決定が8,000人規模になると報じました。

これは全従業員の1割が人員削減の影響を受けることを意味し、それと同時に新たに採用されるはずだった6,000人の雇用を見送ることも明らかにされています。

決して簡単な決断ではなかった。Metaに大いに貢献してくれた人材をも手放さねばならなくなる。

MetaのCPO(最高人事責任者)であるJanelle Gale氏は、こんなふうに語っているそうです。Bloombergなどが一斉に報じた同社のリストラ計画について、その予定人数を含め、正確な報道だと認めてもいるようですね。

実はMicrosoft(マイクロソフト)も、7日には大規模な早期退職プランについて社員へ通知する予定だと報道されています。こちらは全従業員の7%が対象となり、9,000人規模の社員がMicrosoftを去ることになるとか。

AIこそリストラ要因

こうした大リストラの対象は、誰になるのか? MetaやMicrosoftの社員は気が気でないでしょう。ちなみに両社とも、リストラ背景にある要因にAIによる業務効率化、そしてAIへの巨額投資を挙げています。

AIが人間の代わりにこなせる仕事量は、質は低下しても膨大。おまけに速い。それならばと、人員削減を選ぶ企業が増えているほか、そもそもAIの開発やデータセンター整備に多大の資金が必要であるため、従業員に支払っていたお金をそっちに回したいという企業トップの意向があるようです。

イーロン・マスク氏は「人類がAIによって豊かになる」と主張してきました。実際、生産性の向上によって、企業にもたらされる利益は増大。しかしながら、皮肉にも経営者は、雇用環境の改善に還元することを選びませんでした。

生産性の向上により、これまで1日8時間かかっていた仕事が半分以下の時間で済むようになったとして、それで従業員の業務時間短縮と裕福さが実現されたなんて会社はありません。むしろ、そのぶんだけ人員を削減する流れにつながり、かえって仕事を失う人が増えているという結果に。

AIは人を豊かにしていない?

いま北米では、たとえ会社に残れたとしても、給与がカットされるといった事例も相次いでいるみたいです。たとえば、Amazonは、社内で役職を廃止する方針を強化予定。これによって表向きは平等な職場環境の実現がアピールされているものの、狙いは役職手当などの廃止で、社員が受け取れる給料の額がカットされると伝えられています。

AIのおかげで人は豊かになっている? 豊かさが受け取れる給料の金額を意味するのであれば、ほとんどの人にとっては減少ないしは同額キープで、豊かになったなんて話はあまり耳にしません。

これこそ資本主義の現実で、一部の企業トップはこれを熟知してるってことなんでしょうね。

Source: Bloomberg

【こちらもおすすめ】
GIZMODO テック秘伝の書
1,650円
Amazonで見る
PR