アメリカでは「年収1000万円超え」!? 国内でもいわゆる「ブルーカラー」の再評価が進む背景とは? 身近だけど意外と知らない「年収700万円超えの現場職」も紹介

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オフィスワークのIT化や生成AIなどの台頭で一部の事務職の需要が減少する一方、AIには代替できない現場職の需要と収入は高まっている傾向にあります。   本記事では、国内外でいわゆる「ブルーカラー」と呼ばれる職業の再評価が進む背景や、年収700万円超えも狙える身近な現場職を具体的に紹介します。

年収6桁ドル!? 米国の“ブルーカラー・ビリオネア現象”が話題に

米国のいわゆる「ブルーカラー」(現場技術職)を取り巻く環境は大きく変化しています。配管工などで年収6桁ドル(約1500万円以上)を稼ぐ人が見られ、現場職ビジネスのオーナーが巨万の富を築く「ブルーカラー・ビリオネア」も話題です。
現場職の価値が高まる背景には、PEファンドの存在があります。未上場の小規模な現場職の会社を買収し、労働環境や待遇を近代化して企業規模を拡大させているのです。これにより事業を売却して利益を得る起業家や、好待遇で働く現場職が増加しています。

日本国内でも近年「事務職」「現場職」の年収逆転が起きている可能性

日本は米国ほどPEファンドが浸透しておらず、次々と億万長者が誕生する状況にはありませんが、年収ベースでは米国と同様に収入の逆転現象が始まっている可能性があります。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に、令和2年と令和6年を比較した「年収の変化率が大きい職種トップ10」は表1の通りです。
なお、年収は「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で概算し、変化率(パーセント)は「(令和6年の値-令和2年の値)÷令和2年の値×100」で計算しています。
表1

年収の変化率が大きい職業 令和2年から令和6年の変化率 歯科医師 44.2パーセント 獣医師 40.1パーセント タクシー運転手 38.5パーセント 外勤事務従事者 33.5パーセント 建設躯体工事従事者 23.2パーセント 販売類似職業従事者 22.0パーセント 電気・電子・電気通信技術者
(通信ネットワーク技術者を除く) 22.0パーセント 自動車組立従事者 19.1パーセント 他に分類されない専門的職業従事者 19.0パーセント 大工 18.8パーセント

※筆者作成

身近だけど意外と知らない「年収700万円近い現場職」とは?

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、全業種の平均給与(男女計)は478万円です。
今回はその約1.5倍の年収700万円を目安とし、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」を用いて、目安に近い現場職5種を抽出し、平均年収の目安を算出した結果が、表2です。
表2

職種 平均年収目安 輸送用機器技術者 700万5800円 機械技術者 669万4200円 鉄道運転従事者 667万7100円 発電員・変電員 658万6400円 建築技術者 641万6400円

※筆者作成
表2の金額はあくまで職業分類(小分類)に基づく平均値ですが、現場職のなかでも運輸や通信といったインフラ関連の仕事は、比較的収入が高い傾向にあるといえるでしょう。
米国のようにビリオネアとまではいかずとも、AIに代替しづらい現場職の需要は今後さらに高まる可能性があると考えられます。

まとめ

近年、現場職の収入が、事務職などを上回る逆転現象が起き始めているといわれています。米国ではすでに年収1000万円を超えるような待遇改善も進んでいるようです。
日本国内ではまだ米国ほど目立った動きはありませんが、年収700万円超えも狙える現場職の再評価は確実に進みつつあると考えられます。AI技術が発展している現代だからこそ、機械による代替が難しい業務を担う現場職については、その役割や価値が改めて見直されているといえるでしょう。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査/令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
e-Stat政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査 概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー