『波うららかに、めおと日和』はなぜ大ヒットしたのか 異例の続編決定の背景を分析
2025年4月期のフジテレビ木曜劇場枠で放送され、放送終了後もなお熱狂が続いた『波うららかに、めおと日和』(以下、『めおと日和』)。交際ゼロ日婚から始まる、なつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)による新婚夫婦の関係を、昭和という時代設定の中で描いた本作は、従来の恋愛ドラマとは一線を画す“純愛ラブコメ”として幅広い層に支持された。社会現象的な盛り上がりを見せた本作が、2026年秋に続編として帰ってくる。
参考:『波うららかに、めおと日和』続編、今秋放送へ 芳根京子&本田響矢が1年ぶり再共演
『めおと日和』はなぜここまでのヒットに至ったのか、そして続編では何が期待されるのか。毎クール20本以上のドラマを視聴するドラマウォッチャーの明日菜子氏に聞いた。
まず改めて本作のヒットについて明日菜子氏は、「2025年で一番“バズった”ドラマといえば『めおと日和』でしょう。社会現象的な広がり方をした作品だったと思います」と振り返る。粒ぞろいの作品が並んだ同年の中でも、FOD年間ランキング国内ドラマ部門で1位を獲得するなど、その熱量は突出していた(※)。「ここまでの特大ヒットは制作陣も予想していなかったのでは。最近のドラマとしてはかなり珍しいバズり方だった印象です」と分析する。
その背景にあるのが、恋愛ドラマとしての“原点回帰”だ。
「今は不倫や婚活など、恋愛の中でも刺激の強いテーマが注目されがちですが、『めおと日和』はノスタルジックな王道的胸キュンを真正面から描いた作品。純愛ラブコメがプライム帯でここまで支持されたこと自体が新鮮でした」
さらに、「放送当初は“朝ドラっぽい”という声もありましたが、それがむしろ間口を広げた」と指摘する。続けて、「最初はコアなドラマ好きが注目していた印象ですが、結果的には普段ドラマを観ないライト層まで巻き込んだ。このライト層の支持が、あの熱狂を生んだ大きな要因だと思います」と振り返った。
また、作品の核となった存在として、本田響矢の飛躍にも言及する。
「本田さんは『虎に翼』(NHK総合)で朝ドラ初出演を果たしました。寅子(伊藤沙莉)の学友である梅子(平岩紙)の息子役で、かなりのインパクトがあった。けれど出番としては限定的だったので、『虎に翼』のイメージを引っ張りすぎず、『めおと日和』の瀧昌さまとして、視聴者が一気に没入できたことが良かったです。『めおと日和』のバズは、瀧昌さまフィーバーなしには語れません」
■『めおと日和』続編ではなつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)の関係性が変化? 本田は、車いすラグビーを題材とした現在放送中の日曜劇場『GIFT』(TBS系)にも出演している。
「高校時代のバイク事故をきっかけに車いす生活となった朝谷圭二郎という役で、金髪姿も含めてこれまでとは真逆の魅力を見せています。一皮むけた印象がありますよね。この振り幅を経て『めおと日和』の瀧昌さまに戻ってくることを期待している視聴者も多いと思います」
さらに、芳根京子との関係性についても評価は高い。
「ラブストーリーはカップリングが成立してこそですが、芳根さんの朝ドラヒロイン感とも言える安定感と演技力が、本田さんとのケミストリーを強固にしていた印象です。とにかく2人のバランスが絶妙でした」
続編では、その関係性の変化にも注目が集まる。
「この1年で2人ともさらに飛躍を遂げたなかで、改めてなつ美と瀧昌をどう演じるのかは大きな見どころになるはずです」
そして「そもそもラブストーリーの続編自体が珍しい」とも指摘する。
「たとえば『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)のように、医療や刑事ものはシリーズ化しやすいですが、恋愛ドラマで続編が作られるのは本当に珍しいのではないでしょうか。2025年に放送された『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)も11年ぶりのカムバックが話題になりましたが、この短い期間での続編決定は、作品の根強い人気を感じます」
最後に続編への期待については、「交際0日婚から始まった関係が、夫婦として成立した後に何が起こるのか。すれ違いの先にある“その後”を描けるのが続編の醍醐味ですよね」と述べ、「『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)も、スペシャルで“結ばれた後”を描いていましたが、気持ちが結ばれた後だからこそ生まれるドラマがあると思います。これまでは互いの思いが見えず、すれ違いが中心でしたが、なつ美と瀧昌が夫婦として成立した今、そこからどんな出来事が訪れるのかに期待したい」と締めくくった。
参照※ https://news.fod.fujitv.co.jp/article/9634(文=佐藤アーシャマリア)
