夕食会銃撃の容疑者「シークレットサービスは何をやっているんだ」…事件直前に家族にメッセージ
【ワシントン=阿部真司】米ホワイトハウス記者会主催の夕食会会場のホテルで発生した銃撃事件で、拘束された男は犯行直前、警備が手薄だったとの認識を示していた。
要人が多数集まるイベントとしての安全対策が不十分だったとの指摘が強まっている。
米CBSニュースによると、拘束されたコール・アレン容疑者は会場のある「ワシントン・ヒルトン」ホテルに犯行前日の24日から宿泊。事件直前、家族に宛てたメッセージで、複数の武器を所持してホテルに入館できたとして、会場周辺の警備態勢について「シークレットサービス(大統領警護隊)は何をやっているんだ。安全対策が全くない」と指摘していた。
米紙ワシントン・ポストは26日、今回の警備態勢を巡り、トランプ大統領やバンス副大統領ら多くの政権幹部が出席するイベントとしては低めの警戒レベルに設定されていたと報じた。ルビオ国務長官やベッセント財務長官などの閣僚のほか、マイク・ジョンソン下院議長なども参加しており、同紙は米国が一時的に「異常なまでに脆弱(ぜいじゃく)な状態に陥っていた」と問題視した。
夕食会に参加した与野党議員からも、警備態勢の不備を問う声が相次いだ。共和党のマイク・ローラー下院議員はSNSへの投稿で、身分証明書などの確認がなく、「安全上の問題が数多くあった」と指摘し、警備態勢の検証を求めた。民主党のセス・モールトン下院議員は、容疑者が会場近くに接近したことに懸念を示し、「間一髪で食い止められた」と語った。
広大で密集状態の会場は要人が集まる場として適さないとの見方もある。事件直後、保安担当者らはテーブル上を走るなどして要人らに駆け寄っており、退避が困難だったとみられる。
トランプ政権は警備上の問題はなかったと強調しつつ、事件を口実に、ホワイトハウス敷地内で進めるボールルーム(宴会場)の建設が必要だとの主張を強めている。建設の是非を巡り法廷闘争に発展しており、トランプ氏は26日、FOXニュースの番組でボールルームについて「安全上の『落とし穴』は全て排除される」と建設を正当化した。
一方、容疑者は2017年にカリフォルニア工科大で機械工学の学位を取得。現在は学生に受験指導を行う会社で非常勤の教師として働いていたといい、詳しい動機や犯行の経緯などの解明が待たれる。
