信長を討とうとする執念と奇策に視聴者最注目『豊臣兄弟!』第15話画面注視データを分析
●遠藤直経が織田軍の兵になりすます
テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、19日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00〜 ほか)の第15話「姉川大合戦」の視聴分析をまとめた。

『豊臣兄弟!』第15話より (C)NHK
○「いかん! あやつは浅井の者じゃ!」「敵か!」
最も注目されたのは20時38分で、注目度78.9%。遠藤直経(伊礼彼方)が織田軍の兵になりすまして織田信長(小栗旬)のもとへ向かうシーンだ。
「浅井備前守、討ち取ったり!」突如、姉川に叫び声が響く。「浅井備前守が首級でござる! お検めくだされ!」その声に必死で刀を振るっていた小一郎(仲野太賀)、藤吉郎(池松壮亮)、蜂須賀正勝(高橋努)は思わず動きを止めた。「浅井長政を討ち取ったというのは真か?」正勝は半信半疑でつぶやく。「浅井備前守、討ち取ったり! 殿にお目通りを!」叫び続ける兵の顔を見た藤吉郎。その顔には見覚えがあった。それは間違いなく金ヶ崎で浅井長政とともに立ちふさがった敵将・遠藤直経だった。
「いかん! あやつは浅井の者じゃ!」「敵か!」藤吉郎の声を聞くや否や小一郎は駆けだした。「お検めくだされ」周囲に気づかれぬまま、直経は織田信長の本陣へと迫っていた。はやる気持ちを押し殺し、一歩、また一歩と歩みを進める。やがて信長の目前に至ると直経はほくそ笑んだ。「待たれよ! それまでじゃ!」間一髪、間に合った小一郎が直経を制止する。次の瞬間、直経は携えていた長政の兜を小一郎に投げつけると刀を引き抜き信長へ斬りかかった。だが、前田利家(大東駿介)がこれを阻み、そのまま槍で突き貫く。さらに赤母衣衆が斬りかかると、直経は血を吐いて崩れ落ちた。
「だから言うたのじゃ…うう…もっと早く、殺しておけば…」怨嗟の言葉を残し、直経は絶命した。信長は顔色一つ変えていない。そこへ浅井の全軍が引いていくという報告が入ってくる。佐久間信盛(菅原大吉)が追撃を指示するが、「もうよい! 深追い無用、我らの大勝利じゃ」と制し、直経の亡骸に槍を突き立てた。「勝鬨を上げよ!」信長の号令が、戦場に高らかに響き渡った。

『豊臣兄弟!』第15話の毎分注視データ推移
○「遠藤直経の信長暗殺未遂まで出てきた!」
このシーンは、信長を討とうとする直経の執念と奇策に視聴者の注目が集まったと考えられる。
ついに開戦した姉川の戦いだが、地の利を生かした浅井・朝倉連合軍が織田・徳川連合軍に対して優位に立つ。朝倉景健(重岡漠)は一時、勝利を確信するがすべて信長の想定内だった。伏兵として現れた徳川家康(松下洸平)によって戦況は一変。遅参を信長に咎められた家康は死に物狂いで自軍を指揮し、浅井・朝倉連合軍を圧倒し、進退窮まった直経は事態を打開するために捨て身の策を講じた。
SNSでは「秀長の生涯をじっくりやるからかな、飛ばされがちなエピソード拾ってくれるの嬉しいな」「遠藤直経の信長暗殺未遂まで出てきたのはびっくりした!」「直経、信長が危険だという先見の明はあったし、浅井家への忠誠は本物だったからいいキャラだったね」と直経にコメントが集まった。
敗退した浅井・朝倉連合軍だが、大いに信長を苦しめた。作中には登場しなかったが、浅井家臣・磯野員昌は、「員昌の姉川十一段崩し」という逸話を残している。織田軍の備え十三段のうち十一段を突破し、信長の目前まで迫ったものの、美濃三人衆によって阻まれた。のちに信長に仕え、信長を狙撃しようとした杉谷善住坊を捕らえたと伝わっている。
同じく、真柄十郎左衛門は身長7尺(210cm)の体躯を持ち、刃渡り7尺3寸(約221cm)の「太郎太刀」と呼ばれる大刀を振り回す浅井家中きっての猛将だった。姉川でも奮戦するが、最期は徳川家臣の向坂三兄弟と戦い、「我が首を御家の誉れにせよ」と豪快に討ち取られたといわれている。史実でも双方死力を尽くした死闘だったことがうかがえる。
●徳川家康、織田信長の大目玉を食らう
今回は前回に引き続き1570(永禄13・元亀元)年の様子が描かれた。織田信長が今回から髭をたくわえるようになり、物語の進展を感じさせた。
以下で、最も注目されたシーン以外の見どころを紹介していく。
まずは、遅参した家康が信長に圧をかけられるシーンが挙げられる。武田信玄(高嶋政伸)への対応で遅れたと弁解する家康だったが、信長は見透かしており、前田利家、佐々成政(白洲迅)を始めとする家臣団で平伏する家康を取り囲み、無言の圧力をかける。全てを察知した家康は地にこすりつけるほどに頭を下げて必死に謝罪する。無事に解放されたあとは膝から崩れ落ちるほどに憔悴していた。
SNSでは「長政が裏切った直後に半分裏切るような行動したんだから妥当だな。ちょっと迂闊だったね」「最近の家康が割と舐めてる態度だったから、ここで引き締め入れる信長はさすがですわ」といったコメントが寄せられている。この頃の家康はまだ空気を読むことができなかったのだろうか。
○小一郎、ついにその手を血で染める
次に小一郎が初めて敵兵を斬り殺したシーンが挙げられる。自ら殿(しんがり)を務めた前回の金ヶ崎の退き口でも敵兵を殺すことのなかった小一郎だが、藤吉郎の命の危機に敵兵をその手にかけた。幼いころから藤吉郎とともに訓練に励んでいたこともあり、優れた剣術を身に着けていた小一郎。1人殺めてからは次々に敵兵を斬りつけていった。
SNSでは「第1話から片鱗はあったけど、小一郎強いな。藤吉郎のためにっていうのも小一郎らしい」「今まで斬らずに生き残ってこられたのも元々強いからってのもあったんだろうね。まあメンタルの方は全然付いてきてないのが気になるな」と小一郎が話題となった。
○藤堂高虎(佳久創)、初登場
そして、のちに小一郎の腹心となる藤堂高虎が初登場した。一際大柄な体躯で槍を振り回し、小一郎、藤吉郎、蜂須賀正勝たち3人を相手に一歩も引かないその姿は強いインパクトを残した。SNSでは「藤堂高虎は築城名人だって聞いてたからインテリ系だと思ってたけど、主君を次々に替えて最終的にめっちゃ成り上がってるから、鬼のように強くて当然だよね」「パワーに全振り状態の高虎すごかったな」と文武両道を地でいく高虎に称賛が集まった。
藤堂高虎は1556(弘治2)年に近江で生まれた。今回描かれた姉川の戦いではなんと14歳で初陣だ。浅井長政に仕えたのち、阿閉貞征、磯野員昌、織田信澄、豊臣秀長など複数の主君を経て、最終的に徳川家康に重用された。築城の名手として知られ、今治城、伊賀上野城、津城、江戸城改修などに関わった。
高虎は身長が約6尺2寸(約188cm)の大男で、幼少期から食欲旺盛で怪力の持ち主だったと伝わる。のちに丹羽長秀(池田鉄洋)の三男であり、小一郎の養子となったものの家中に居づらくなった藤堂高吉を引き取っている。
高虎を演じる佳久創はアクロスエンタテインメントに所属する愛知県出身の35歳。185 cmの長身で元ラグビー選手でもある。2022年『鎌倉殿の13人』で武蔵坊弁慶を演じて以来2度目の大河出演となった。生涯で源義経にのみ仕えた忠臣・弁慶と複数の主人に仕えた高虎は対象的。今後、小一郎とどのように関わってくるのか楽しみだ。
きょう26日に放送される第16話「覚悟の比叡山」では、藤吉郎が浅井家の忠臣・宮部継潤(ドンペイ)の調略を命じられるが、人質として子を要求される。子のない藤吉郎は甥の万丸(小時田咲空)を差し出そうとするが、とも(宮澤エマ)は憤慨。一方、浅井長政(中島歩)と朝倉義景(鶴見辰吾)は比叡山延暦寺に立てこもる。




(C)NHK

REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。 この著者の記事一覧はこちら
テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、19日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00〜 ほか)の第15話「姉川大合戦」の視聴分析をまとめた。

○「いかん! あやつは浅井の者じゃ!」「敵か!」
最も注目されたのは20時38分で、注目度78.9%。遠藤直経(伊礼彼方)が織田軍の兵になりすまして織田信長(小栗旬)のもとへ向かうシーンだ。
「いかん! あやつは浅井の者じゃ!」「敵か!」藤吉郎の声を聞くや否や小一郎は駆けだした。「お検めくだされ」周囲に気づかれぬまま、直経は織田信長の本陣へと迫っていた。はやる気持ちを押し殺し、一歩、また一歩と歩みを進める。やがて信長の目前に至ると直経はほくそ笑んだ。「待たれよ! それまでじゃ!」間一髪、間に合った小一郎が直経を制止する。次の瞬間、直経は携えていた長政の兜を小一郎に投げつけると刀を引き抜き信長へ斬りかかった。だが、前田利家(大東駿介)がこれを阻み、そのまま槍で突き貫く。さらに赤母衣衆が斬りかかると、直経は血を吐いて崩れ落ちた。
「だから言うたのじゃ…うう…もっと早く、殺しておけば…」怨嗟の言葉を残し、直経は絶命した。信長は顔色一つ変えていない。そこへ浅井の全軍が引いていくという報告が入ってくる。佐久間信盛(菅原大吉)が追撃を指示するが、「もうよい! 深追い無用、我らの大勝利じゃ」と制し、直経の亡骸に槍を突き立てた。「勝鬨を上げよ!」信長の号令が、戦場に高らかに響き渡った。

○「遠藤直経の信長暗殺未遂まで出てきた!」
このシーンは、信長を討とうとする直経の執念と奇策に視聴者の注目が集まったと考えられる。
ついに開戦した姉川の戦いだが、地の利を生かした浅井・朝倉連合軍が織田・徳川連合軍に対して優位に立つ。朝倉景健(重岡漠)は一時、勝利を確信するがすべて信長の想定内だった。伏兵として現れた徳川家康(松下洸平)によって戦況は一変。遅参を信長に咎められた家康は死に物狂いで自軍を指揮し、浅井・朝倉連合軍を圧倒し、進退窮まった直経は事態を打開するために捨て身の策を講じた。
SNSでは「秀長の生涯をじっくりやるからかな、飛ばされがちなエピソード拾ってくれるの嬉しいな」「遠藤直経の信長暗殺未遂まで出てきたのはびっくりした!」「直経、信長が危険だという先見の明はあったし、浅井家への忠誠は本物だったからいいキャラだったね」と直経にコメントが集まった。
敗退した浅井・朝倉連合軍だが、大いに信長を苦しめた。作中には登場しなかったが、浅井家臣・磯野員昌は、「員昌の姉川十一段崩し」という逸話を残している。織田軍の備え十三段のうち十一段を突破し、信長の目前まで迫ったものの、美濃三人衆によって阻まれた。のちに信長に仕え、信長を狙撃しようとした杉谷善住坊を捕らえたと伝わっている。
同じく、真柄十郎左衛門は身長7尺(210cm)の体躯を持ち、刃渡り7尺3寸(約221cm)の「太郎太刀」と呼ばれる大刀を振り回す浅井家中きっての猛将だった。姉川でも奮戦するが、最期は徳川家臣の向坂三兄弟と戦い、「我が首を御家の誉れにせよ」と豪快に討ち取られたといわれている。史実でも双方死力を尽くした死闘だったことがうかがえる。
●徳川家康、織田信長の大目玉を食らう
今回は前回に引き続き1570(永禄13・元亀元)年の様子が描かれた。織田信長が今回から髭をたくわえるようになり、物語の進展を感じさせた。
以下で、最も注目されたシーン以外の見どころを紹介していく。
まずは、遅参した家康が信長に圧をかけられるシーンが挙げられる。武田信玄(高嶋政伸)への対応で遅れたと弁解する家康だったが、信長は見透かしており、前田利家、佐々成政(白洲迅)を始めとする家臣団で平伏する家康を取り囲み、無言の圧力をかける。全てを察知した家康は地にこすりつけるほどに頭を下げて必死に謝罪する。無事に解放されたあとは膝から崩れ落ちるほどに憔悴していた。
SNSでは「長政が裏切った直後に半分裏切るような行動したんだから妥当だな。ちょっと迂闊だったね」「最近の家康が割と舐めてる態度だったから、ここで引き締め入れる信長はさすがですわ」といったコメントが寄せられている。この頃の家康はまだ空気を読むことができなかったのだろうか。
○小一郎、ついにその手を血で染める
次に小一郎が初めて敵兵を斬り殺したシーンが挙げられる。自ら殿(しんがり)を務めた前回の金ヶ崎の退き口でも敵兵を殺すことのなかった小一郎だが、藤吉郎の命の危機に敵兵をその手にかけた。幼いころから藤吉郎とともに訓練に励んでいたこともあり、優れた剣術を身に着けていた小一郎。1人殺めてからは次々に敵兵を斬りつけていった。
SNSでは「第1話から片鱗はあったけど、小一郎強いな。藤吉郎のためにっていうのも小一郎らしい」「今まで斬らずに生き残ってこられたのも元々強いからってのもあったんだろうね。まあメンタルの方は全然付いてきてないのが気になるな」と小一郎が話題となった。
○藤堂高虎(佳久創)、初登場
そして、のちに小一郎の腹心となる藤堂高虎が初登場した。一際大柄な体躯で槍を振り回し、小一郎、藤吉郎、蜂須賀正勝たち3人を相手に一歩も引かないその姿は強いインパクトを残した。SNSでは「藤堂高虎は築城名人だって聞いてたからインテリ系だと思ってたけど、主君を次々に替えて最終的にめっちゃ成り上がってるから、鬼のように強くて当然だよね」「パワーに全振り状態の高虎すごかったな」と文武両道を地でいく高虎に称賛が集まった。
藤堂高虎は1556(弘治2)年に近江で生まれた。今回描かれた姉川の戦いではなんと14歳で初陣だ。浅井長政に仕えたのち、阿閉貞征、磯野員昌、織田信澄、豊臣秀長など複数の主君を経て、最終的に徳川家康に重用された。築城の名手として知られ、今治城、伊賀上野城、津城、江戸城改修などに関わった。
高虎は身長が約6尺2寸(約188cm)の大男で、幼少期から食欲旺盛で怪力の持ち主だったと伝わる。のちに丹羽長秀(池田鉄洋)の三男であり、小一郎の養子となったものの家中に居づらくなった藤堂高吉を引き取っている。
高虎を演じる佳久創はアクロスエンタテインメントに所属する愛知県出身の35歳。185 cmの長身で元ラグビー選手でもある。2022年『鎌倉殿の13人』で武蔵坊弁慶を演じて以来2度目の大河出演となった。生涯で源義経にのみ仕えた忠臣・弁慶と複数の主人に仕えた高虎は対象的。今後、小一郎とどのように関わってくるのか楽しみだ。
きょう26日に放送される第16話「覚悟の比叡山」では、藤吉郎が浅井家の忠臣・宮部継潤(ドンペイ)の調略を命じられるが、人質として子を要求される。子のない藤吉郎は甥の万丸(小時田咲空)を差し出そうとするが、とも(宮澤エマ)は憤慨。一方、浅井長政(中島歩)と朝倉義景(鶴見辰吾)は比叡山延暦寺に立てこもる。




(C)NHK

