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収益的に重要なハッチバックのNo4

1950年代にシトロエンが生み出した、独創的なサルーンのイメージを背景にした上級ブランドが、DSだ。15年以上、丁寧なアプローチが展開されてきた。No3とNo4、No8という3車種展開で、DSは第三章を迎えると、同社の上層部は宣言する。

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しかし、毎月のように上級ブランドから新モデルが登場する2020年代に、存在感を高めるのは簡単ではない。かつてのトヨタは、レクサスを高級なトヨタ車ではないと理解してもらうのに、数10年は必要だと認めていた。


DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

ブランドのフラッグシップとなるのは、先日試乗したクロスオーバー・クーペのNo8。確かな実力で、大きな高級車を欲する人々へ訴求する。他方、収益的に重要になると思われるのが、No4。より広いターゲット層を想定し、主力モデルに据えられるはず。

No8との共通性を意識したスタイリング

No4は、これまでDS4を名乗っていた、ハッチバックのアップデート版。発売は2021年だが、英国では合計2629台の提供に留まっている。それでも、全世界で5番目の市場になるとか。主要なライバルは、数万台が売れているのに。

CEOのグザヴィエ・プジョー氏によれば、DSは黒字経営にあるとか。スタイリングやインテリアの刷新に加えて、新設定された電動パワートレインで、巻き返しを図るという。


DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

ボディは、No8との共通性を意識したものだろう。シャープなライン構成で、フロントの表情は凛々しく、グリルはほのかに灯る。リアには、DS AUTOMOBILESとレタリングされ、テールライトも新しい。従来以上に、見た目の主張は増したように思う。

全長は4400mmで、全幅が1830mm、全高は1490mm。アウディA3やBMW 1シリーズより、僅かに大きい。

213psのモーターと58.3kWhのバッテリーで450km

No4のプラットフォームは、プジョー E-308と同じEMP2。しかし、E-テンスには強化された213psの駆動用モーターと、58.3kWhのバッテリーが載り、1度の充電で走れる距離は最長450kmと長い。パワートレインは、この前輪駆動の一択だ。

サスペンションは、しなやかな乗り心地と、軽快な操縦性を実現するべく、細かな調整を受けたという。多くのフェイスリフト版と同様に。E-テンスの車高は、ハイブリッド版のNo4より10mm低く、空気抵抗の低減につなげている。


DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

防音ガラスの採用と遮音材の増量で、快適性は向上。トリムグレードは、パラス、パラス+、エトワールの3段階で、それぞれにオプション・パッケージも用意される。

前衛的なデザインの車内は後席が狭め

インテリアはDS4から大きな変更はないが、デザインは前衛的で高級感が漂う。上質な素材が積極的に用いられ、製造品質も高い。肌触りの良いセンターコンソールのアームレストや、ウォッチストラップ・レザー仕立てのシートは、特別感がある。

ダイヤモンドを反復させたディティールは、従来どおり。車内を効果的に引き立てる。


DS No4 E-テンス・パラス(欧州仕様)

メーター用モニターは10.25インチへ5割ほど拡大され、表示は高精細。ダッシュボードへ綺麗に埋め込まれたタッチモニターは、10.0インチある。システムは稀に反応が遅く、エアコンやシートヒーターの操作が統合され、使い勝手に優れるわけではない。

前席側の空間はゆったりしているが、後席側は同クラスでは僅かに狭い側。平均的な体格の大人でも、膝前や頭上の空間は限られる。そのかわり、荷室容量は430Lで広い側。床下には、充電ケーブルをしまうのに丁度良い収納もある。

気になる走りの印象とスペックは、DS No4 E-テンス・パラス(2)にて。