食を未来へつなぐには

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 食の専門家、調理師が減少している。直近の免許交付数は年間2万2000余りだが、10年前に比べて4割減に縮小。国家資格として適切な栄養・衛生管理の知識に基づいた調理を行い、ホテル・レストラン・学校給食などの現場で活躍するプロフェッショナルだ。その減少は日本の食文化を未来につないでいく観点からも危惧される。

▼担い手不足の要因は厳しい職場環境や低賃金にあるという。志望者の減少に加え、定着率も低下。飲食業界の離職率は約30%と全産業平均の2倍に達する。

▼ある加工食品の業界団体は学生向けの啓もう活動に注力している。イベント担当の役員は「現代は食への興味・関心が薄れつつある。高校生、大学生に魅力を伝えたい」。主催のレシピコンクールに参加した学生は「地域の食材を知れた」「家族に料理を喜んでもらえた」と食の魅力を新発見した様子。

▼中東情勢の悪化で食品のサプライチェーンも揺らいでいるが、業界としては長期的な視点で日本の食文化を守り、つないでいくことも大切な役割。食品産業の価値向上に向け、創意工夫と地道な活動の積み重ねに期待したい。

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