《春らしいコーデに滲む品格》愛子さま「盆栽・書道・和歌・古典」の素養 女性天皇論のなかで注目される“皇室教育”の中身
2月17日、東京都美術館で開かれた「第100回国風盆栽展」を鑑賞された天皇ご一家。天皇陛下は中学時代に「じい」との愛称で呼ばれるほどの盆栽好きだったことでも知られるが、長女・愛子さまも古葉の手入れに関する質問を投げかけるなど、熱心に鑑賞されていたという。
【写真を見る】愛子さまの書をはじめ、宮内庁職員の文化祭に出品された作品の数々
こうした教養あふれる愛子さまの振る舞いを受けて、これまで受けてこられた"皇室教育"の中身に改めて関心が集まっている。皇室や日本史に詳しい歴史エッセイストの堀江宏樹氏は、盆栽と愛子さまの関わりをこう指摘する。
「盆栽は古代中国が起源ではありながら、室町時代以降の日本で独自の発達を見せたジャンル。ただの園芸技術であることを超え、『一鉢の中に宇宙が表現されている』がゆえ、君子が嗜むべき芸術に高められました。
おそらく天皇陛下が『帝王教育』の一貫で盆栽について学ばれ、その知識と鑑賞眼を愛子さまも引き継がれておられるのでしょう。いわゆる"帝王学"が直接、授けられているわけではないと思われますが、天皇陛下が少年時代から培ってこられた素養を、間接的に受け継いでおられるのは確かです」
愛子さまの教養は幼少期からの積み重ねによって形作られてきた。3歳の頃には、雅子さまの指導で書道をされる様子が公開されている。宮内庁職員組合の文化祭美術展には、書や手工芸品などを出品され、継続的に研鑽を積まれているようだ。
また、和歌や古典文学への関心も高い。高校時代には『源氏物語』『枕草子』『更級日記』などを題材に、「平安時代の文学における猫や犬と人との関わりについて」をテーマにした卒業レポートを執筆。大学では日本の古典文学を学び、理解を深められてきた。
そして、これら日本の文化は単なる教養にとどまらない意味を持つという。
「愛子さまが嗜まれているとされる和歌、書、古典、そして盆栽などは、現代では"風流な趣味"と捉えられがちです。しかし"帝王学"の文脈では、これらは統治者の精神状態を映すバロメーターでもあります」(同前)
伝統を継承した"えも言われぬ品格"
3月、日本橋高島屋で第57回目となる「現代女流書展」を初めて訪問した愛子さま。春らしいクリーム色のアンサンブルにパールのネックスをお召しになり、漢字やかな、前衛書などの数々にじっくりと見入った。
万葉集の和歌を書いた書では、「志貴皇子(しきのみこ)(の和歌)ですね」と奈良時代の読み手を挙げ、「春の美しい歌ですね」とお話に。歌会始では自作の和歌を書にしたためていることに触れ、「書を勉強しなければ」とも意気込まれていた。
「和歌は、紀貫之が『古今和歌集』の序で示したように、"言葉で世を平らげる"ための技術でもあります。また書道は、過去から受け継がれてきた書体を引き継ぎ、乱れのない筆致で自らの精神の正しさを示す行為ともいえます。
愛子さまは、それら伝統を極めてスムーズに継承し、自分のものとして身につけておられる印象です。自然に皇室の伝統に同化されているからこそ、国民は、愛子さまに"えも言われぬ品格"を感じるのではないでしょうか」(同前)
女性天皇をめぐる議論が活発化する中、愛子さまの教養は、その資質を考えるうえでも注目されている。
「日本の伝統に対する愛子さまのずば抜けた見識が話題になりがちですが、それも今上陛下との親子の時間の中で育まれ、そして磨き上げられてきたものといえます」(同前)
積み重ねてきた教養の厚みと、そこからにじむ"品格"。その存在感は、今後の議論においても無視できないものとなりそうだ。
