味の素は同名の調味料で有名な企業ですが、半導体の材料である「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」の製造も担っています。そんな味の素について、イギリス投資ファンド「パリサー・キャピタル」が「味の素価値向上プラン」を発表しました。

パリサー・キャピタルは味の素価値向上プランを公表します

https://www.businesswire.com/news/home/20260331071448/ja



Is MSG Maker Ajinomoto Sitting on an AI Goldmine? This Investor Thinks So - WSJ

https://www.wsj.com/business/is-msg-maker-ajinomoto-sitting-on-an-ai-goldmine-this-investor-thinks-so-4a054b58

パリサー・キャピタルは味の素の食品事業ではなく、味の素が製造する半導体材料「ABF」に着目。ABFは半導体の絶縁材料として使用されており、層間絶縁材としてほぼ100%の世界シェアを確保しています。



パリサー・キャピタルは「味の素は顧客からもっと多くの資金を引き出すだけの力を持っているにもかかわらず、価格を大幅に引き上げていない」と指摘。「最も収益化されていないAIインフラの独占企業」として、大幅な機会損失が起きていると訴えました。

ABFを使用されて製造されている製品の価格に対し、ABFの価格が占める割合は0.1%未満となっており、パリサー・キャピタルは「ABFの価格を引き上げても顧客の負担はそれほど変わらないだろう」として30%以上価格を引き上げるよう提案しています。



日本の伝統的な製造業企業は材料の供給不足や生産コスト上昇などの問題が発生しない限り価格を上げない傾向があるものの、高度なAIチップの需要が高まるにつれ、ABFの供給が足りなくなる可能性があります。シトリニ・リサーチのアナリストであるジュカン・チョエ氏は「半導体企業たちが味の素の生産量を上回るペースでABFを消費し始めた場合、味の素は必然的に価格を引き上げることになるだろう」と分析しました。

なお、パリサー・キャピタルは最先端のチップ製造に使用される特殊なセラミック材料を製造しているTOTOについても同様の価値向上プランを提案しています。

パリサー・キャピタルはTOTO価値向上プランを公表します

https://www.businesswire.com/news/home/20260217926336/ja

TOTOは極低温誘電体エッチング装置向けの「静電チャック」を製造しています。パリサー・キャピタルによると静電チャックの需要はチップの層が厚くなるたびに増加するとのことで、チップの層の増加とチップそのものの需要の増加が合わさって大きな成長余地がある模様。



パリサー・キャピタルは、TOTOが静電チャック事業が伸びていることをアピールするほか、静電チャック事業に重点的に投資し、借金を増やして株式当たりの利益を増加させることで企業の価値が向上すると分析しています。