佐賀競馬(佐賀県鳥栖市)にレース開催前日から騎手が外部接触を断ち、体調を整えるために滞在する「新騎手会館」が完成した。広い浴室やサウナ、トレーニングルームを備えた宿泊施設で、騎手たちはより快適な環境下でレースに臨む。

 佐賀競馬を運営する県競馬組合によると、騎手会館は「調整ルーム」とも呼ばれ、競馬の公正確保と騎手の心身調整のため、競馬開催の前日から騎乗予定の騎手全員の入室が原則、義務づけられている。外部接触を断つため、携帯電話などの電子機器は持ち込めない。

 3日に稼働した新騎手会館は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積約1800平方メートルで、事業費は約10億6千万円。ロッカー室や男性の個室30室、女性の個室3室があり、男性の浴室には体重管理を考慮して温度の異なる二つの浴槽やスチームとドライのサウナを完備する。トレーニングルームには、騎乗時の姿勢確認や鍛錬に用いる木馬もある。

 食事室には新たに接続制限を施した騎乗研究用のパソコン2台を導入。全国の地方競馬と中央競馬の過去のレースを視聴できるようにした。施設内には電子機器の電波を遮断する電波妨害装置も設置されている。

 施設を見学したベテランの山口勲騎手(56)は「以前の施設は騎乗する場所から500メートルほど離れていたので移動が大変だった。近くなって便利になる」と歓迎。2年目の長谷川蓮騎手(22)は「過去のレースもパソコンで見られるようになり、より競馬に集中できる」と話した。(前田絵)