10日、北京の人民大会堂で会談する中国共産党の習総書記(右奥から3人目)と、台湾・国民党の鄭主席(左奥から3人目)=新華社AP

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 【北京=東慶一郎、台北=園田将嗣】中国の習近平(シージンピン)・共産党総書記(国家主席)は、10日の台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(ジョンリーウェン)主席との会談で「両岸(中台)は家族」と強調し、友好ムードを演出した。

 5月のトランプ米大統領の訪中を前に、米国からの大規模な武器購入に慎重な国民党との連携を利用し、米国の台湾支援に歯止めをかける狙いがあるとみられる。

握手14秒

 北京の人民大会堂で行われた会談の冒頭、両氏は14秒間にわたって握手した。習氏は国民党側の出席者に向かって「両党指導者の会談は、(前回の2016年11月から)まもなく10年になる。前回はどなたが参加しましたか?」と笑顔で語りかけるなど和やかな雰囲気で始まった。今回の会談の意義を「共通する家庭の平和と安寧を守るものだ」とも述べ、国民党との連携を進める意向を示した。

 一方、中国が敵視する台湾の与党・民進党の頼清徳(ライチンドォー)政権については、「『台湾独立』は台湾海峡の平和を破壊する元凶だ」と述べて敵意をあらわにした。

 国民党との対話再開は、トランプ氏の訪中への布石でもある。習政権は、米中首脳会談を通じて、昨年12月にトランプ政権が承認した台湾への大規模武器売却に歯止めをかける狙いがあるとみられている。今回の国共トップ会談を通して「頼政権こそがトラブルメーカー」と主張することで、対米工作の材料にする意図もありそうだ。

対日でも共同歩調

 会談で習氏は、日本の台湾統治を念頭に「台湾占領という困難な時代にあっても、台湾同胞は中華民族意識を持ち続けた」と述べ、中台の一体性を強調した。鄭氏も「台湾海峡を外の力が介入する」舞台としないようにすべきだと語り、日米などの「干渉」に反発する習氏に歩調を合わせた。

 国民党によると、鄭氏は8日に江蘇省南京にある国民党創設者の孫文の墓(中山陵)を参拝した際、台湾が日本に統治された歴史に触れ、中台の間で「日本帝国主義のやいばによって切り裂かれた傷口がいまだに癒えていない」と批判していた。

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