「市販の解熱剤」で安全性の高いものは?3つの成分の効果と注意点を解説!【医師監修】
解熱剤にはさまざまな種類があり、含まれる成分によって特徴や適した対象が異なります。年齢や体質、持病の有無によって選択すべき薬剤が変わるため、正しい知識を持つことが大切です。ここでは、市販の解熱剤の主な成分の特徴と、年齢・体質に応じた選び方のポイントをわかりやすくまとめました。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
解熱剤の種類と選び方
解熱剤は発熱による不快な症状を和らげるために用いられる薬剤です。適切に使用することで、体力の消耗を防ぎ、休息を取りやすくします。
市販の解熱剤の主な成分
市販されている解熱剤の主成分としては、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどがあげられます。アセトアミノフェンは中枢神経系に作用して解熱・鎮痛効果を発揮し、胃腸への負担が少ない特徴があります。子どもにも使用しやすく、安全性が高いとされています。イブプロフェンとロキソプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類され、炎症を抑える作用も持っています。イブプロフェンは15歳以上で使用可能な製品が多く、ロキソプロフェンはさらに強い効果が期待できる一方で胃腸障害のリスクも高まります。成分の含有量や剤形(錠剤、カプセル、顆粒、シロップなど)も製品によって異なるため、年齢や症状、体質に応じて選択することが大切です。
年齢や体質に応じた選択基準
乳幼児にはアセトアミノフェンを主成分とした製品が第一選択となります。体重に応じた適切な用量を守り、過剰投与を避けることが重要です。15歳未満の子どもには、安全性の高い「アセトアミノフェン」を選ぶのが原則です。インフルエンザや水痘(水ぼうそう)の疑いがある際にイブプロフェンなどのNSAIDsを使用すると、インフルエンザ脳症やライ症候群といった命に関わる重篤な合併症を引き起こす危険性があるため、自己判断での使用は絶対に避けてください。大人では症状の程度や持病の有無により選択が変わります。胃潰瘍や腎機能障害のある方はアセトアミノフェンが適していますが、肝機能障害がある場合は使用に注意が必要です。喘息のある方はNSAIDsにより症状が悪化することがあるため、事前に医師や薬剤師への相談が推奨されます。妊娠中や授乳中の方も使用できる薬剤が限られるため、専門家の指導を受けることが望ましいでしょう。
まとめ
発熱は身体からの重要なサインであり、原因や程度、随伴症状を総合的に判断して対応することが大切です。大人と子どもでは発熱の特徴や対処法が異なるため、年齢に応じた適切なケアが求められます。解熱剤は症状緩和に有効ですが、使用方法や副作用を理解したうえで適切に用いることが重要です。発熱が長引く場合や重篤な症状を伴う場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。日頃から感染予防と免疫力向上に努めることで、発熱のリスクを減らすことができます。気になる症状があれば、早めに医師に相談することをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「発熱時の対応」
日本小児科学会「こどもの救急」
日本感染症学会「一般市民の皆様へ ~かからないために、かかった時のために~」
