日本テレビの新報道番組『追跡取材 newsLOG』(25日スタート、毎週土曜22:00〜)メインのキャスターに就任する和久田麻由子アナが10日、東京・汐留の同局で行われた制作発表会見に出席し、3月でNHKを退職した経緯と新たな挑戦を決めた理由を語った。

2人の子どもを育てる中で見つめ直した働き方、そして「プロセスまで大切にする報道」という番組コンセプトへの共感。長年、報道の現場に立ってきた和久田アナが明かした胸中には、キャリアの転機と理想の報道への思いがにじんでいた。

『追跡取材 newsLOG』のメインキャスターに就任する和久田麻由子アナ

和久田アナはまず、「NHKでは幅広い番組に携わるチャンスをいただいて、アナウンサーとして育てていただきました。NHKで過ごしてきた日々の経験は、全て私にとってかけがえのない財産です」と述べ、「この場をお借りして、まずは感謝を申し上げたいと思います」と丁寧に思いを伝えた。

NHKを退職する決断については、「この日がその瞬間だった」という明確な転機があったわけではないとし、「子どもを2人授かって育児をする中で、家族と過ごす時間と自分の仕事とのバランスを考えるようになりました」と振り返り、「その頃から、漠然と働く自分の働き方について見つめ直したり、考えたりする機会が自然と増えていきました」と告白。

その上で、「もう少し柔軟な働き方を望むようになり、その気持ちが葛藤もありながら少しずつ膨らんでいきました」と振り返る。

そうした中で舞い込んできたのが、今回の新番組のオファー。番組コンセプトについて説明を受けた際の印象として、「報道の結論だけではなくて、プロセスまで大切にして伝えていく。それで新しい報道のあり方を目指していくんだという、日本テレビの制作チームの皆さんの熱量と挑戦的な姿勢に、純粋に心を動かされました」と語る。

これまで報道番組に携わる中で、「誰のために、何のために、今何をどう伝えていくのか」を日々考え続けてきたという和久田アナ。そのため、『追跡取材 newsLOG』が掲げる“プロセスまで大切にする報道”という姿勢は、自身が理想とする報道の形と重なったようだ。

「この番組のコンセプトやスタッフの皆さんの熱量が伝わってきた時に、プロセスまで大切にするという新しい報道の形が、自分が理想とする報道の形と重ね合わせることができた」と話し、「そういった気持ちが強かったのが一番の決め手になります」と、新番組への参加を決めた理由を明かした。

(左から)森圭介アナ、和久田麻由子アナ

同番組は、和久田アナと、『news every.』を担当する日テレの森圭介アナがメインキャスターでタッグ。公開情報を分析して事実を特定する日テレ報道局の調査報道班「OSINT(オシント)チーム」を活用し、記者の取材の記録=LOGをたどってニュースの真相に迫っていく。

佐藤圭一報道局長は「SNSやAIが加速度的に発達し国内外を問わず真偽不明の情報・映像が氾濫する時代に、私たちテレビはニュースをどう伝えるべきなのか? 議論した末に、いま動かないと大事なものを失ってしまうのではないか、という強い危機感を持って新しい報道番組にチャレンジすることを決めました。日本テレビ報道局には今この瞬間もニュースに向き合って悩み、考え、真実を追いかけている人間がたくさんいます。真摯(しんし)に、誠実に取り組む取材、そこからニュースが生まれる過程をできる限りさらけ出し視聴者の皆さんと一緒にニュースを考えたい。『LOG』という番組名にかけたそんな思いで私たちも一歩踏み出します」とコメント。

小江翼プロデューサーは「今、私たちの周りには多様なメディアがあふれ、情報のスピードは加速する一方で、何が真実かを見極めるのが難しい『偽・誤情報』の課題にも直面しています。そんな時代だからこそ、私たちは『テレビ局が果たせる役割』を愚直に追求したいと考えました。私たちの最大の財産は、日々自らの足で現場へ赴き、自らの目でニュースを目撃し続ける多くの記者たちの存在です。新番組では、結果を伝える従来の形式だけにこだわるのではなく、記者が汗をかき、悩み、真相にたどり着くまでの『プロセス』も含め、この番組だけでしか知りえない『新しい真相』をお届けします。テレビである以上、一人でも多くの方に『見たい』と思っていただける“興味深さ”や“熱量”を追求することも忘れません。この番組が、視聴者の皆様の生活をアップデートし、明るい明日へとつながる『道しるべ』や『きっかけ』になることを目指して、テレビの本気をみせたいと思います」と意気込みを語っている。





会見の司会を務めた蛯原哲アナ