45歳・元テレ朝アナが振り返る、20代後半の“焦りと迷い”「私の人生これでいいんだっけ」の正体とは
だから、いま自分がつくろうとしている「自分自身の価値観」と、あえて比べる必要はないのだと思います。
むしろ素敵な投稿に出会ったときは、「こんな選択肢もあるんだ」と、未来の可能性を知るきっかけとして受け取ればいい。
比べるものではなく、世界の選択肢を広げてくれるカタログのように、エンタメとして楽しむ。
とはいえ、当時の私はやはり例外ではなく、SNSを見ては落ち込んだり、誰かと自分を比べてしまうことも、何度もありました。
スタートアップ企業に転職してから、「マイルストーンから逆算して考える」という言葉をよく聞くようになりました。
マイルストーンとは、プロジェクトの中間目標地点のことをいい、そこから逆算して、スケジュールを立てていくことがビジネスの現場では重要だとされています。
転職当初は「マイルストーンって何ですか?」と聞いていたはずなのに、今では当たり前のようにその言葉を使っている自分に、嫌気がさすんですが(笑)。
仕事において、この“逆算思考”が大切なのはよくわかります。けれど、個人の人生においても同じように、「未来のために今は歯を食いしばって耐える」生き方が本当に正解なのか――ふと立ち止まって考えることがあります。
偉大なスポーツ選手や成功している女性タレントの方々は、このマイルストーン思考、つまり目標から逆算する生き方を勧める方が多いですよね。逆算のマイルストーンをしっかり立てたら人生変わったよというような。
でも正直にいうと、私はそんな生き方がちょっとしんどいなと思っていて。
明確な目標に向かって、頑張り続ける。それが苦ではない人もいるのだと思います。でも私はそういう生き方が苦しくなることがある。だから永遠の三流なのかもしれませんが(笑)。
だから、そういう発信ばかりが目について苦しくなったときは、いったんSNSを閉じて、スマホをバッグにしまいます。
そして、目の前の「今」に意識を向ける。窓の外の雲、通り過ぎる人の靴の音、今食べているものの味を感じてみる。
そうすると、不思議と、さっきまで「ヘタレだな」と思っていた自分の気持ちも、大切なものに思えてくることがあります。
◆何者かにならなくても、楽しんでもいい
40代になって気づいたのは、何者かにならなくても、私は私として毎日を楽しんでいいんだ、ということでした。
クォーターライフクライシスを経て、本当の意味での親離れをし、自分なりの価値観を少しずつ確立していく。
そして、SNSのノイズを手放した先に残るのは、「今ここにいる自分」です。その自分をご機嫌に保つこと。
それこそが、私にとっての“人生のデザイン”なのではないかと、今は思っています。
20代、30代。焦ってもいいし、迷ってもいい。でも、SNSの誰かの正解に合わせる必要はありません。もし、クォーターライフクライシスを感じている方がいたら、1回スマホを置いて、美味しいパンでも食べながら息抜きをしてみる。
「何者かになること」よりも、「今の自分の人生を楽しむこと」に、そっとフォーカスしてみる。そうすると、違った景色が見えるかもしれません。
ちなみに私は、クォーターを一気に超えたミッドライフクライシスの側なんですが、20代30代の焦りの時期を振り返って感じたことを今日は綴ってみました。
<文/大木優紀>
【大木優紀】
1980年生まれ。2003年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして報道情報、スポーツ、バラエティーと幅広く担当。21年末に退社し、令和トラベルに転職。旅行アプリ『NEWT(ニュート)』のPRに奮闘中。2児の母

