スポニチ

写真拡大

 ◇セ・リーグ 阪神2―3ヤクルト(2026年4月8日 甲子園)

 阪神・試合後、佐藤輝は悲観する表情を見せることなくクラブハウスへと引き揚げた。「また明日(9日)頑張ります」。この夜は2打数無安打に終わっても猛虎の4番として打点をまた一つ積み上げた。

 「先制された裏に取り返せて良かった。最低限の仕事はできた」

 初回1死一、三塁。松本健の初球、外角高めのカットボールをコンパクトにはじき返した打球は三走・近本を悠々と本塁へ迎え入れる左犠飛となった。強振することなく冷静に状況を見極めて一打を放った。打率(・364)に加えて打点(9)もリーグトップとなった。

 チームの初回得点は今季6度目。そのうち大砲のバットからたたき出したのは早くも4度目だ。先発陣が盤石の猛虎において、初回得点は味方に勢いをもたらす。この夜の首位攻防第2ラウンドはヤクルト投手陣の粘りに屈し、僅差で敗れても、この男が好調のうちは負けが込むことはないだろう。

 この日は12歳差の弟・悠さんの近江高の入学式が行われた。今、自身が本拠地とする聖地・甲子園のグラウンドに投手として立つことを3年間の目標に設定している。強豪校の門をたたいたかわいい弟へ向けて、バットでエールを送った。

 9日、阪神は4年目の茨木がプロ初先発。序盤から援護できれば、記念すべき初勝利をプレゼントできる可能性は自然と高まる。昨季、打率・467(15打数7安打)、2本塁打と打ちまくった奥川が相手先発。猛虎打線をけん引する頼もしいお兄ちゃんなら、きっとやってくれる。(石崎 祥平)