子宮頸がん闘病を公表している古村比呂が、ALSに罹患した津久井教生に伝えたいこと

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ニャンちゅうの声を30年つとめた津久井さんの、ALS体験や介護される人の本音、胃ろうした人の生の声

“「束見本」という書籍の見本に、刷り上がったカバーと帯をまいたものが届きました! 素敵です♡ あとは中身です♡前に進みま〜す♪(^O^)”

3月16日、Xにこのように投稿したのは、2019年10月にALS(筋萎縮性側索硬化症)を公表した津久井教生さん。Eテレで人気のキャラクター「ニャンちゅう」の声を30年以上つとめ、「ちびまる子ちゃん」など多くのアニメや舞台で活躍してきた人気声優だ。

津久井さんが2020年から「FRaUweb」にて続けた連載をベースに、視線入力での書き下ろし原稿を加えた著書『ALSと笑顔で生きる 声を失った声優の「工夫ファクトリー」』が4月27日に発売となる。そのカバーと一緒に元気な表情を見せたのだ。

「ALSになるとはどういうことなのか」「介護される人の本音は」「気管切開や胃ろうをした人の感想」といったことは、なかなか当事者の生の声を聞くことができない。本書はそういう生の声に加え、声優養成所で長く教えてきた津久井さんが「声の出し方」のノウハウも詰め込んだ、実用エッセイでもあるのだ。

さて、表情が豊かな津久井さんだが、2026年現在はほとんど体が動かず、冒頭のXも視線入力で打ち込んでいる。

2019年3月、突然大きく転んだのだのが2019年3月のこと、それからどんどん歩きにくくなり、半年間の検査入院ののち、感覚はあるままに体が動かなくなっていく難病「ALS」だと告知をされた。

足が動かなくなり、車いすになっても手はまだ動いていた。そして「奇跡」といわれながらも声が出て、ニャンちゅうをはじめとした声の仕事も続け、2022年の30周年をむかえた。そしてその年の10月、ニャンちゅうの声を羽田野渉さんにバトンタッチをすることを公表。さらに2ヵ月後、呼吸困難となり、気管切開することを選択した。

津久井さんは本書の中でたびたびつづっているのが、ニャンちゅうをはじめとした仕事仲間の方々との温かい交流だ。たとえば、ニャンちゅうの二代目お姉さん・古村比呂さんについては次のようにつづっている。

”『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』の収録には歴代のお姉さんが駆けつけてくれました。中でも心配して数回にわたってスタジオに来てくれたのが古村比呂さんでした。

「教生さん、大丈夫ですか?」

「うん、今のところ声帯までは病状が進んでないから声は大丈夫、しっかりみててね」そして収録を見守ってもらって「ねっ、大丈夫でしょ♪」

「うん、いつものニャンちゅうだった、良かったぁ〜っ」

「ところで比呂ちゃんの方は大丈夫?」

「うん、私も今のところ大丈夫」

古村比呂さんも子宮がんの闘病を公表し、2026年現在も「一般社団法人HIRAKU がん・リンパ浮腫と共存」代表理事として活動を継続しています。

「おたがい頑張りましょうね♪」

「うんありがとう」 (『ALSと笑顔で生きる』より)”

古村比呂さんは、自身のインスタグラムやブログで闘病のことを伝え続けている。たとえば2026年2月6日の投稿ではこのようにつづっている。

今日は抗がん剤治療DAY35回目

診察時痒みや膀胱炎気味のこともお話しして

お薬・対処法を含め様子見となり安心しました

そして主治医と薬剤師さんに

「これだけ治療を続けていて髪がしっかりと生えてくるのは凄いことですよ」

とまた褒められました^_^

嬉しいな治療に、がんばる細胞に感謝します♡

#古村比呂

#子宮頸がん

#進行再発がん

#抗がん剤治療中

#キイトルーダ

そんな古村さんから津久井さんへのメッセージをお届けする。

「ニャンちゅう、そっくり」 古村比呂さんから津久井さんへの手紙

1995年、私が 2 代目お姉さんとして番組に参加した時、初めてニャンちゅうとお会いしました。教生さんを見た瞬間、「ニャンちゅう、そっくり!」と驚いたことを今でも覚えています。

収録が始まると、失敗さえ笑いに変えてしまう頼もしさに、私はいつも助けられていました。最後の収録で仕掛けられたドッキリでは、台本にない展開を温かく導いてくれたのも教生さんでした。

その後、私が病気を経て久しぶりにスタジオを訪れた時も、変わらない声で「身体に気をつけてね」と気遣ってくれました。ALS を知った時は胸が締めつけられ、いてもたってもいられずスタジオへ行きました。再会した教生さんは、杖や車椅子を使いながらも、いつもの優しさで発症の経緯を丁寧に話してくれました。何だか私が慰められたような感じでした。

それから満月の夜に交わす気まぐれな LINE は、今も大切なつながりです。

そして今回、書籍を拝読し、涙がこぼれました。それは悲しみではなく、教生さんの覚悟の清らかさに心が震えた“賛辞の涙”です。

教生さん、あなたの声は今も確かに響き続けています。私にとってニャンちゅうは、ずっと頼もしい存在です。

ALS公表から6年半、ニャンちゅう声優・津久井教生が「右手」「右手中指」でなく「右手中指の先」が完全に動かなくなったという意味