阪南大高の平岡の注目度が急激に高まっている。写真:森田将義

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 今年に入ってから阪南大高のFW平岡貴敬(3年)の注目度が急激に高まっている。

 1月に行なわれた関西のU-17トレセンキャンプで協会関係者の目に留まると3月に行なわれたJヴィレッジカップでU-18日本代表のメンバーに選ばれ、初めての日の丸を経験。阪南大高で下級生から試合に出場しながら決して目立つ存在ではなかったが、今では獲得に興味を示すJクラブも出てきている。

 歩んできたキャリアは決して華やかではなかった。京都U-15に入ったばかりで務めていたポジションは、左利きという特性を買われ、左SB。2年生から本人が希望する右サイドハーフにコンバートされたが途中出場が多く、当時について本人はこう振り返る。

「1、2年生の頃はほとんど試合に出ていなくて、サッカーへの熱も全く高くなかった」

 それでも将来性を買われ、U-18への昇格を打診されたが、最終的に選んだのは濱田豪監督が熱心に声を掛けてくれたという阪南大高。「練習会に行ったら良い雰囲気だったし、福本一太くんとか、能力の高い選手もいたので大阪を勝ち抜いていけるチームだと思った」のだという。

 濱田監督からの評価は高く下級生から出場機会を得たが、昨夏のインターハイ以降はスタメンでの出場機会が減少。12月に行なわれたプレミアリーグプレーオフでも試合終盤に出番を得たものの何もできず、昇格を果たせなかった。

「プレミアの参入戦で物足りないと強く感じた。何もできなかったし、これからは自分が中心となってやっていかないといけない。そのためには自分ができるプレーの幅を増やしていきたいと感じた」

 そう振り返る平岡は、今年に入ってから意識して食事を摂り、筋トレにも向き合うようになった。取り組みの甲斐あって、高校に入ってから体重が5キロ増え、持ち味であるドリブルの力強さが増した結果がブレイクに繋がっている。
 
 代表に選ばれたきっかけは右サイドハーフとして突破を繰り返し、チャンスを量産したからだったが、3月からは本格的にFWに転向。「サイドの選手としては足もともスピードもボチボチ。僕自身、右サイドに限界を感じていた」と話す平岡の適性を踏まえ、将来的にプロの世界で長く活躍するためを考えた濱田監督のプランだという。

 Jクラブで昇格を果たせず、高校でFWとしてキャリアを積んでブレイクを果たす流れはセレッソ大阪U-15から入学した河田篤秀(高知ユナイテッドSC)、ガンバ大阪ジュニアユースから入学した鈴木章斗(サンフレッチェ広島)といった阪南大高のレジェンドたちと重なる。

「足が振れるので、フォワードとしての素質は章斗よりも上だと思う」と評するのは濱田監督で、成長を促すため、鈴木と同じく平岡をキャプテンに任命した。

「鈴木章斗選手の話はされていて、ゴール前の嗅覚は監督にも良い物を持っているとは言われている。そこは意識していきたいのですが、鈴木選手はチームに与える影響が大きかったとも言われている。まだそこがあまりないので、プレーだけでなく行動や私生活でも引っ張っていかないといけない」

 FW転向後、初めての公式戦となったプリンスリーグ関西1部開幕戦の京都橘高戦では相手の警戒網に苦しみながらも、2列目から出たスルーパスに反応して上手くゴール前を抜け出し、左足でゴール。クロスからヘディングシュートを叩き込み、ストライカーとしての片りんを見せた。

 上手く行かなくてもきっちりゴールやアシストという数字を残せる選手は、上のステージに上っていく選手の条件といえる。まだ大学かプロか進路は明確に定まっていないが、このまま順調にストライカーとして成長できれば、人気銘柄となるのは間違いないだろう。

取材・文●森田将義

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