『とんかつ店 みのや』ロースとんかつ(定食) 900円 薄めの衣をサラダ油でサクッと揚げる。ボリュームに反して胃疲れしないさっぱり系の仕上がり

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昨今、都心部ではコース仕立て、○代続く老舗店などプレミアム感漂うとんかつ店が目白押し。ですが、元来とんかつはもっと“身近なご馳走”だったハズ。コチラではそんな姿が依然残る「地域に愛される地元の老舗」をご紹介。味だけではない、何度も通いたくなる魅力があるのです。

食べるほどギュッと魅了される古き良きとんかつ『とんかつ店 みのや』@東十条

東十条に店を構え66年、常連の中には4世代で利用する人もいる。

「郷里に帰るからと、最後に挨拶に来てくれる人もいます」と語る女将さんは実に快活で気持ちよく、実家のような温かさが店内に漂う。

名物は創業時から続く「ロースとんかつ定食」。正直特別な素材を使っているとか、そういうことはないのだが、このとんかつがしみじみと旨い。肉厚ながら脂身は控えめで柔らかく、しっかりと効かせた下味の塩・胡椒があとを引く。

ロースとんかつ(定食)900円

『とんかつ店 みのや』ロースとんかつ(定食) 900円 薄めの衣をサラダ油でサクッと揚げる。ボリュームに反して胃疲れしないさっぱり系の仕上がり

さらに、初代から変わらぬ圧巻のボリューム感も、人々を惹きつける。羽釜で炊いたご飯は、普通盛りで300g(!)、こま肉とキャベツがたっぷりと入った豚汁もセットでこの価格。

徐々に値段は変動しているが、それでも物価高を感じさせぬこのボリュームはまさに店の心意気そのもの。こんなところにも、「ただいま」と再訪したくなる温かさが溢れている。

『とんかつ店 みのや』店主 原敏郎さん

店主:原敏郎さん「注文時の量の調節やお持ち帰りも気兼ねなくどうぞ!」

『とんかつ店 みのや』

[店名]『とんかつ店 みのや』

[住所]東京都北区中十条3-17-4

[営業時間]12時〜14時、19時〜21時

[休日]日

[交通]JR京浜東北線東十条駅北口から徒歩2分

良質な銘柄豚と伝統のレシピが叶える変わらない特別な味『洋食 大吉』@浅草橋

問屋街の活気と下町情緒が入り混じる浅草橋にも、世代を超えて愛される名店がある。

『洋食 大吉』は、文豪・池波正太郎も認めた古き良き洋食の味を守り続ける老舗だ。昼時には近隣の会社員が行列を作り、夜にはお酒で疲れを癒す近隣住民の姿も。

長年愛される秘訣を聞くと「特別なことはなにもしてないですよ」なんて謙虚な返答が。しかし、剣立ちのしっかりした衣をまとう「昔風ロースカツ」を見れば、その“当たり前”のレベルの高さは一目瞭然だ。

昔風ロースカツ980円

『洋食 大吉』昔風ロースカツ 980円 デミグラスソースは創業当時のレシピを使用。濃厚で甘めの味わいがどこかなつかしい

使用するのはこだわりの岩中豚。さっぱりとした旨みと、脂の豊かな甘みを引き立てるのは、ラードで揚げたコク深い衣と、1週間かけて仕込まれる自家製デミグラスソース。すべての工程を丁寧にこなしたとんかつには、幼い頃特別に感じた濃厚な満足感が滲む。

受け継がれてきた“当たり前”が作り出す、不変のご馳走ここにアリ!

『洋食 大吉』店長 川島秀夫さん

店長:川島秀夫さん「おいしいものを誠実に!夜はお酒に合うメニューも豊富です」

『洋食 大吉』

[店名]『洋食 大吉』

[住所]東京都台東区柳橋1-30-5KYビル地下1階

[電話]03-3866-7969

[営業時間]11時半〜14時、17時半〜22時(21時20分LO、土・祝は〜20時20分LO)

[休日]日

[交通]JR総武線浅草橋駅東口から徒歩4分、都営浅草線浅草橋駅A6出口から徒歩2分

38年創業から変わらない大トロの味『築地かつ平(かつへい)』@築地

寿司屋だらけの築地の裏路地で、ブヒヒとばかりに笑い転げる3匹の子豚が描かれた暖簾がひらり。趣のある古民家の引き戸を開ければ、気のいい2代目店主がお出迎え。

「うちは昔ながらの脂身の多い豚肉でね、右側が脂の多い大トロ、左側は中トロ……」という店主の解説に耳を傾けつつ、ロースかつにガブッ!じゅわーっと脂の旨みが弾け、肉のコクもたまらない。

ロースカツライス1500円、御新香250円

『築地かつ平(かつへい)』(手前)ロースカツライス 1500円 (奥)御新香 250円 羽釜で炊いたふっくらご飯に、手切りキャベツが添えられる。脂身がしっかりついたロースは年々、生産者が減少しているとか。脂は多めでも胃もたれせず

そしてしっかり揚げられた粗目で糖度の高い特注品の香ばしい衣と口の中でシャッフルされる。その旨さときたら!

「まずはそのまま、次に塩、そしてソース、最後に辛子醤油と七味で」と店主の指南は止まらない。さっぱりした塩も合うけれど濃厚な脂と辛子醤油の相性もよし。

変わり続ける築地の町で、昭和38年創業から変わらないとんかつ界の極上・大トロ。作家・池波正太郎も愛した味を皆さまもぜひ。

『築地かつ平(かつへい)』店主 相野谷信之さん

店主:相野谷信之さん「昔ながらのとんかつの味をぜひ味わって」

『築地かつ平(かつへい)』

[店名]『築地かつ平(かつへい)』

[住所]東京都中央区築地6-12-10

[電話]03-3542-1537

[営業時間]11時半〜14時半(14時LO)、17時〜20時(19時半LO)

[休日]日・祝、第2土

[交通]地下鉄日比谷線築地駅2番出口から徒歩5分

撮影/浅沼ノア、取材/星野真琴(みのや、大吉)、白石あづさ(かつ平)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、絶品とんかつの画像をご覧いただけます

※月刊情報誌『おとなの週末』2026年3月号発売時点の情報です。

【画像】300g越えのドデカとんかつも! 老舗洋食店のカツのほか、半世紀以上愛されてきたとんかつ3選(16枚)