スポニチ

写真拡大

 ◇パ・リーグ 日本ハム9―0ロッテ(2026年3月31日 エスコンF)

 日本ハムの細野晴希投手がロッテ戦で史上91人目(通算103度目)のノーヒットノーランを達成した。

 細野といえば、23年のドラフト会議当日の取材が忘れられない。

 母校・東洋大の会見場。細野はドラフト会議に合わせて午後4時30分からスタンバイ。しかし他校のライバルがどんどん1位指名されるのに対し、自身の名前はなかなか呼ばれなかった。

 記者も会見場にいた。そして、細野の表情をずっと見ていた。

 当時、東都大学野球リーグには屈指の好投手が顔を揃え、「東都セブン」の異名で呼ばれた。そして、ドラフト会議では全員は1位指名された。

 草加勝(亜大)中日1位

 下村海翔(青学大)阪神1位

 武内夏暉(国学院大)西武1位

 常広羽也斗(青学大)広島1位

 西舘昂汰(専大)ヤクルト1位

 西舘勇陽(中大)巨人1位

 細野は日本ハムから1位指名された。しかし、名前を呼ばれたのは「東都セブン」の中で一番最後。日本ハムとロッテが「外れの外れ」で1位指名し、抽選で日本ハムが交渉権を獲得した。

 ドラフト会議が進み、中継を見守りながら細野は何度か天井を見つめたりしていた。悔しさも募っただろう。事実、指名後のコメントは「ライバルの名前が先に呼ばれて悔しかった」と言葉を絞り出した。

 しかし、プロの世界に入ってしまえば指名の順位や順番など、一切関係ない。頼れるのは己の実力のみ。

 細野は「悔しい気持ちが成長につながる。この気持ちを忘れないように」と言った。そして偉業を達成。こうした生き様を見られるから、プロ野球の大きな魅力の一つだと思う。