論文からわかった最適解!”腹筋を割る”ために必須のトレーニングとは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】
腹筋ローラーに、クランチとレッグレイズを組み合わせる
腹筋群の構造
腹筋群は、「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の4つの筋肉の総称です。腹部中央の腹直筋は、6パックの筋肉として知られますが、腹直筋の上部と下部の働きには明確な違いがあり、作用の違いからも筋トレでは上部と下部を分けて鍛えます。
腹部の側面、腹直筋の両側に位置する外腹斜筋とその下についている内腹斜筋は、協力して働くことで体幹を安定させ、姿勢を保持します。
腹横筋は深層にあるインナーマッスルで、体幹の安定化を助け、呼吸にも関与しています。そして、これら腹筋群は遅筋線維の割合が60%、速筋線維の割合が40%と他の筋肉とは違い、遅筋線維の割合が速筋線維よりも多い特徴的な筋肉です。
腹筋が割れる筋トレ種目4選
「クランチエクササイズ」「プランク」など、代表的な12の腹筋エクササイズの筋活動を筋電図で解析したところ、もっとも腹直筋が働いたのがクランチエクササイズ(上体起こし)でした。そして、腹直筋下部に関しては、「ハンギングレッグレイズ」がもっとも腹筋下部の筋活動が高いことがわかりました。
また、2006年にカリフォルニア州立大学から発表されたEMG研究のデータでは、伝統的なトレーニング種目とされているクランチエクササイズと非伝統的なトレーニング種目10種目を対象に、もっとも筋活動を高める種目について分析が行われました。筋活動を高める種目はそれぞれの筋肉で異なりましたが、全体的に見ればパワーホイールを使用したトレーニングが上位を占めました。ただし、筋肥大の要因となる成長因子と筋線維の再生は、等張性収縮の運動のときにより活性化するといわれ、腹筋ローラーのように角度が変わらない等尺性収縮だけでは筋肥大は起こりにくいことがわかっています。そのため、筋活動が高いからといって腹筋ローラーひとつに絞らず、クランチエクササイズと組み合
わせて、腹直筋上部の筋肉に刺激を入れることが必要です。
2009年のカンピーナス大学のデータでは、クランチエクササイズに外的負荷を加えることで腹直筋の筋活動が大幅に上がるという報告がありました。つまり、負荷をかけながらの上体起こしがもっとも腹直筋を大きくするのには有効というわけです。
腹直筋下部でも、腹筋ローラーの筋活動が高いほか、等張性収縮を再現できる「ハンギングニーアップ」、一般的には「レッグレイズ」も有効です。
外腹斜筋では、腹筋ローラー+ツイストレッグレイズが有効になります。そして、内腹斜筋は外腹斜筋よりも深層に位置し、安定化により関わっているため、レッグレイズが有効といわれます。つまり、腹筋を割るためのトレーニング種目として、クランチエクササイズ、レッグレイズ、ツイストレッグレイズ、腹筋ローラーがおすすめです。さらに、腹筋群の特徴として、速筋線維よりも遅筋線維のほうが割合として多く、持久力に優れているため、これらの種目をある程度連続して行うようにすることが大切です。
腹筋を割るための最重要種目はブルガリアンスクワット
そしてもう1つ、忘れてならないのが「ブルガリアンスクワット」です。先の4種目はどれか1つ欠けたとしても十分に腹筋群に刺激を入れることができますが、腹筋を割るためにはブルガリアンスクワットが必須です。
腹筋を割るためにはお腹回りの脂肪を燃焼させる必要がありますが、大きな筋肉を働かせることで消費カロリーが増え、基礎代謝率も向上します。そのため、人体でもっとも大きな大腿四頭筋と大臀筋を鍛えていくことで、脂肪燃焼率も高まりやすいというわけです。そして、このふたつをもっとも効率よく鍛えることができるのが、脚の筋トレ種目でもおすすめしたブルガリアンスクワットであり、ブルガリアンスクワットを1種目行うことで、大腿四頭筋や大臀筋だけでなく腹筋にも効果があるということなのです。
2019年のマドリード自治大学の研究では、ブルガリアンスクワットを不安定な環境化で行うことで、より大臀筋の筋活動が強く見られたというデータがあります。動作をゆっくりにするだけでも、股関節でバランスをとろうとして大臀筋の筋活動が高くなるので、ぜひ一度試してみてください。
【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男
【著者紹介】論文男(ろんぶんおとこ)
理学療法士。パーソナルトレーナー。現役理学療法士として、小児・スポーツ選手・高齢者のリハビリに従事する傍ら、13年以上の指導経験を生かし、科学的データに基づいたエビデンスレベルの高いトレーニング方法を発信。年間500本以上の論文を読み漁り、最新研究を現場で実践に落とし込む。YouTube 『論文で解決 ~筋肉と栄養を科学する』は登録者23万人以上。3児の父として、忙しいワーカー向けに最短で理想のボディを作るメソッドも開発。筋トレ・栄養・リカバリーを科学的に体系化した指導に定評がある。
