斉藤被告を乗せたと思われる車が東京地裁のある合同庁舎に入っていく様子/筆者撮影

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 2024年7月、ロケバスの車内で女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われている、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバーの斉藤慎二被告(43)に対する第2回公判が、今年3月17日に東京地裁(伊藤ゆう子裁判長)で開かれた。
 今回の裁判では、被害者とその母親が事件について証言をした。前編では被害者の母親の証言などを紹介した。後編では、被害者Aさんの証言内容を中心に詳報する。

◆異例の「ビデオリンク方式」の全容

 午後からは、検察側が有罪立証のために請求した、被害者のAさん(20代)の証人尋問が行われた。Aさんの証人尋問では、本人が法廷に現れることはなく、別室から映像と音声で証言をする「ビデオリンク方式」が採用された。Aさんが証言する映像は、法曹三者の目の前に設置された小型モニターに映し出された。

 証人尋問はAさんの体調に配慮して、休廷を2回挟みながら約3時間をかけて行われた。傍聴人は音声しか聞くことができなかったが、その証言内容は検察側の見解を裏付けるものばかりだった……。

◆第一印象は「すごく気さくな方だなと…」

 まずは、Aさんと斉藤被告が出会うことになった経緯を整理する。

 事件当日、Aさんはテレビ番組のロケに出演者として参加していた。この撮影では、新宿区内の複数の店舗を回ることからロケバスが2台用意されていた。スタッフ用のバスと、斉藤被告とAさんが同乗する出演者用のものがあり、この車中で事件が起きたとされる。

 裁判でAさんは、ロケバスの車内で斉藤被告と初めて対面したときの印象について問われると、「私のような相手にも話しかけてくれる、すごく気さくな方だなと思っていました」と語っていた。

◆車内で突如始まった性的接触…「初対面での異常行動」の詳細

 斉藤被告とAさんらは、1店舗目でロケをこなすと2店舗目に移動するため、ロケバスに乗り込んだ。車内では、Aさんの一つ後方の席に斉藤被告が座っており、スキンケアの話などの雑談をしていた。その会話には事件の片鱗がうかがえるものもあった。

「(斉藤被告から)『もう本当にかわいいね。モテるでしょ』とか、『芸人と飲んだことある?』と質問されました」(Aさんの証人尋問から・以下同)

 直後、スキンケアの話の流れからか、斉藤被告は左手でAさんの両頬を掴んだ。一度、斉藤被告は手を離したが、再びAさんの両頬を掴むとキスをしてきたという。

「本当に驚きました。初対面でまだ朝で、斉藤が妻子持ちであることは知っていたので……。仕事中のロケバスでキスをしてくるなんて、この人異常じゃないかと思ってすごく怖くなりました」

 犯行後、斉藤被告はAさんに「つい可愛くてさ、ごめんね」と謝罪。Aさんは咎めるように過去の「斉藤被告のスキャンダル」にまつわる雑談をした。だが、犯行は継続されたという。

「さらに斉藤からディープキスをされて胸を触られました」

 斉藤被告はAさんの服の上から右胸を触った後、その服の中に手を入れ込むと下着を外して胸を揉みはじめたというのだ。

 これらの【第1】の犯行について、斉藤被告側は「Aさんは同意していたと思っており、犯行も胸に手を当てただけ」と主張。対するAさんは、次のように性的行為に同意しない姿勢を見せたと証言していた。

「唇や歯で(斉藤被告の)舌が侵入してこないようにしたんですが、それでも舌がねじ込まれてしまいました」

 この犯行を裏付けるように、Aさんは知人や母親などにLINEで性被害を訴えたメッセージを送っており、検察側が証拠として提出している。

◆「その口調は腹立たしくて屈辱的でした…」Aさんの悲痛な叫び

 一方でロケは順調に進み、Aさんらは2店舗目の撮影を終えた。この時、Aさんは斉藤被告と「目を合わせず会話をしないようにした」と振り返った。