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パワートレインもドリフト具合も任意に調整可能

ヒョンデ・アイオニック5 Nの高評価を知っていれば、6 Nでもすぐに発進したくなるはず。でも息を整えて、まずはメニューを掘り下げてみよう。もちろん、デフォルトのコンフォート・モードで出発しても、問題があるわけではないが。

【画像】スワンネック背負い650ps アイオニック6 N サイズの近い高速サルーン 5 Nも 全168枚

ワイドなタッチモニターへ触れれば、パワートレインに電子制御LSD、スタビリティ・コントロール、サスペンション、人工のアクティブサウンドなどへ、様々な設定が設けられているのがわかる。前後のトルク割合を、変更することもできる。


ヒョンデ・アイオニック6 N(欧州仕様)

ドリフト・オプティマイザーの項目へ進めば、ドリフトのしやすさや、ドリフトアングル、ホイールスピンの量を個別に調整可能。今回は公道のみの試乗だったため、深掘りは控えておいた。

非常にリアルな8速疑似変速

電動パワートレインは、アイオニック5 Nから譲り受けたものだが、6 Nでは大幅に進化していることがわかる。5 Nを有名にした、擬似的な8速ATの変速機能は、ギア比がショートになり、人工サウンドも新しい。異なる個性の醸成に成功している。

変速時の反応や挙動は、非常にリアル。シフトアップが遅れるとレブリミッターへ当たり、8速のまま50km/hから加速しようとすると、息苦しそうになる。


ヒョンデ・アイオニック6 N(欧州仕様)

擬似的なエンジン音はV6を模したものへ近く、音質は古いビデオゲームのようではある。とはいえ、エンジン音を直接的に再現したものとも異なり、デジタル・カバーのような響きで筆者は嫌いではなかった。しっかり、没入感を高めている。

ステアリングホイール上のボタンで、疑似変速や人工音は簡単にオン/オフできる。必要なら、静かで滑らかな、バッテリーEVらしい走りにも浸れる。

現実的な航続距離は480km前後

乗り心地は、5 Nから大幅に向上した。細かな揺れが見事にいなされ、快適性は段違い。同時に引き締まった姿勢制御で、スポーツサルーンであることも滲ませる。確かに硬めながら、落ち着きに欠くほどではなく、普段使いをためらうことはないだろう。

ステアリングは、電動アシスト特有の癖が従来より抑えられた。より軽く回せ、反応は鋭く滑らかで、手のひらへのフィードバックも若干増している。BMW M3と比較できるレベルにあり、フロントタイヤの挙動を充分感じ取れる。


ヒョンデ・アイオニック6 N(欧州仕様)

5 Nと異なり、リアアクスルの挙動は若干シビア。テールスライドの量を、濡れた路面で細かく調整することは、比べると少し難しく思えた。

電費は、今回の平均で5.3km/kWh。大胆なボディキットをまとった、スピード重視のサルーンとしては充分に褒められる。現実的な航続距離は480km前後と不満なく、急速充電も最大で240kWと速い。

より自然なドライバーズカーで、直接的ライバル不在

アイオニック5 Nの改良版ともいえる、サルーンの6 N。ハッチバックの先輩より、自然なドライバーズカーのような仕上がりにある。鮮烈さは薄いかもしれないが、それは単に5 Nの衝撃へ先に襲われていたからだろう。

今のところ、アイオニック6 Nの直接的なライバルは存在しないといえる。ヒョンデが、電気の時代にも運転の楽しさを追求していることが、とても喜ばしい。一層面白さを引き出せるであろう、コンパクトなアイオニック3への期待も膨らんでしまう。


ヒョンデ・アイオニック6 N(欧州仕様)

◯:気合が入ったスタイリングとパワートレイン バッテリーEVとしては魅力的 
△:アイオニック5 Nほどエンターテインメント性は高くない

ヒョンデ・アイオニック6 N(欧州仕様)のスペック

英国価格:約6万9000ポンド(約1449万円/予想)
全長:4935mm
全幅:1940mm
全高:1495mm
最高速度:257km/h
0-100km/h加速:3.2秒
航続距離:482km(予想)
電費:4.8km/kWh(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:2250kg(予想)
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:80.0kWh
急速充電能力:240kW(DC)
最高出力:650ps
最大トルク:78.3kg-m
ギアボックス:1速リダクション/四輪駆動