カトリック系男子校の「聖光学院高校」。一度は低迷期を迎えるも、目標を早慶に留まらず東大に向かうように促す施策の結果、25年度入試で…
国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「聖光学院高校」です。
【書影】歴史・伝統・校風、有名な卒業生まで徹底網羅。八幡和郎『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』
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聖光学院高校 私立/男子校/中高一貫/神奈川県横浜市中区
東京大学合格者を増やすために特化した努力が成功
聖光学院高校は、カトリック系の学校法人聖マリア学園が経営母体。セント・メリーズ・インターナショナル・スクール(東京都世田谷区)や静岡聖光学院(静岡県静岡市)も経営している。昭和33年(1958)に中学、3年後に高校が開設された。横浜港を見下ろす高台にあり、JR根岸線山手駅から700メートルほどの場所にある。
カナダから来日した修道士が初代校長をつとめ、厳しいながらも自由な校風で、3期生にシンガーソングライターの小田和正がいた。
初代校長の死後に労使紛争があって低迷期を迎えたが、栄光学園高校を東京大学合格者数で追い越すことを目標に、2回入試を導入するなどして優秀な生徒の確保につとめた。
高2から文系と理系に分かれ、それぞれ選抜クラス一つを含む3クラスの計6クラスだが、社会科は全員に2科目を履修させ、数学を履修しないことは許されない。そのことで、早慶に留まらず、目標を東大に向かうように仕向けているようだ。教師は65歳定年の終身雇用で、生活の安定が余裕をもった生徒指導につながるともいう。
田中伸男(国際エネルギー機関事務局長)、小松一郎(内閣法制局長官、駐仏大使)、杉本哲哉(マクロミル創業者)、高島宏平(オイシックス社長)、大西卓哉(JAXA宇宙飛行士)などが卒業生にいる。
平成10年(1998)に東大合格者数で栄光学園高校を抜き、以後、栄光学園、浅野学園、聖光学院、桐蔭学園の四つどもえのデッドヒートがしばらくつづいていた。しかし2025年度入試では東大合格者95名となり、開成、筑波大学附属駒場に次ぐ全国3位となった。
桐蔭学園や洗足学園は……
桐蔭学園高校(横浜市青葉区)は、筑波大学同窓会茗渓会会長などをつとめた柴田周吉が昭和39年(1964)に創立。昭和46年(1971)に甲子園で優勝して有名校となった。そのほかテニス、柔道、剣道など多くの種目で全国制覇している。
高橋由伸(プロ野球選手・監督)、織田裕二(俳優)、西川史子(タレント、医師)、やくみつる(漫画家)などの卒業生がいる。桐蔭学園中等教育学校(桐蔭中教)と一体的に運用されている。
女子高では、川崎市高津区で溝の口駅が最寄りのキリスト教系の洗足学園の躍進が顕著だ。早慶などには強かったが、2021年に東京大学合格者が二桁となり、2025年には28名を送り出している。
※本稿は、『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
