Meta、どさくさに紛れてスマートグラスに顔認識機能搭載を検討
今、大きく揺れているアメリカ社会。その最大の理由は、トランプ政権下で進むワクチン接種などを含めた保健システムの変化や、移民の強制(または自主的)送還。日常の暮らしに直結して影響する問題であり、アメリカ国民の多くが日々のニュースに心を痛めており、抗議活動に参加し声を上げる人々もいます。まさに社会は、今、混乱の中にあると言えます…。
この混乱の中、Metaがあることを画策していると、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が報じています。そのあることとは…、スマートグラスの顔認識機能。
みんなの関心は政治へ
NYTが独自入手したというMeta社内の情報によれば、政治がダイナミックな状況にある間にローンチすれば、我々に攻撃を向けてくると予想される市民社会団体もそっち(政治)で忙しいだろうしねという話が社員に向けてあったといいます。このローンチは、スマートグラスに搭載する顔認識の話。
Metaは以前からスマートグラスに顔認識機能を付けたがっていると報道されていますが、そのたびにプライバシーの問題から懸念の声が上がっていました。が、社会が混乱の中にある今ならぬるっといけちゃいそうよね?と。
あくまでもメディアの報道であり、Metaが本当に顔認識機能を搭載するのか、搭載するとしたら全てのMetaスマートグラスなのか、それとも今後リリースされる新モデルのみなのか、詳しいところは何も明らかになっていません。
米GizmodoがMetaに取材したところ、担当者からは
私たちは何百万という人々を繋げ、日々の生活をより豊かにするプロダクト作りをしています。(中略)まださまざまなオプションを検討している段階であり、もしリリースする場合は、ローンチ前に慎重に検討を行ないます。
と、当たり障りのない回答が来ただけでした。
顔認識機能のメリット・デメリット
Metaがスマートグラスに顔認識機能を搭載するかどうかはさておき、スマートグラスに搭載されるならではの利点はあります。
まず、目が不自由な人、また相貌失認という個人の顔の識別が難しい脳障害を持つ人にとっては、スマートグラスの顔認識機能はそのまま目となり脳となり、日常の助けとなります。この場合、スマートグラスは医療機器的役割を担うことになります。
ただし、Metaが考えているのは医療的機能ではなくもっと日常的な便利機能。グラス装着中は、カメラやマイクが常にスタンバイ状態で、データはAI処理、ユーザーのうっかり(たとえば、車を停めた場所をグラスが自動で記憶しておくなど)にも対応できるような、アシスタントとしての機能。この場合、圧倒的なデメリットは個人情報の取り扱いです。収集された情報すべてがターゲット広告に利用されてしまうかもしれません。
また、何か事件が起きた場合の証拠として警察に提出されるデータになるかもしれません。それはそのまま、24時間365日、どこかに監視カメラがあるかもしれない生活を意味します。
2010年、Facebookはポストした画像に友達をタグつけする機能をリリースしました。この機能、タグつけされるか否かの選択肢が与えられたのは2019年のこと。スマートグラスの顔認証とは異なりますが、一方的な個人特定を安易に考えたことが、確かにFacebookにはあったのです。
混乱に乗じてリリースしたらいいのでは?という社内メモが事実ならば、Meta自身も反対の声があがることは予想しているわけで…。スマートグラスが少しずつ広がりを見せているときだからこそ、多くの人から敬遠されそうな機能は今じゃないとも思うのですが。

GIZMODO テック秘伝の書: “困った”を笑って解決。デジタルでね! (扶桑社BOOKS)
