本場で大満喫の「喜多方ラーメン」4選、あっさり滋味深い味わいに癒やされた

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寒さが続く毎日ですが、こんな日はやっぱりラーメンが恋しくなります。湯気の立つスープを一口飲み、熱々の麺をすすれば、体の芯からぽかぽかと温まります。寒い冬こそ雪国のラーメンが食べたい!ということで、今回はご当地グルメの雄、福島県「喜多方ラーメン」を取り上げます。

喜多方周辺の会津地方はウインタースポーツの施設が充実しており、多くのアスリートが合宿する地としても知られています。先日開幕したミラノ・コルティナ五輪に出場している平野歩夢(ひらのあゆむ、スノーボード・ハーフパイプ)選手も小学生のころ同地で練習をしていたとか。トレーニングの合間に喜多方ラーメンも食べたかも知れませんね。オリンピックも中盤。日本選手の活躍を願いながら、喜多方出身の友人に教えてもらった選りすぐりのお店を4軒ご紹介します。ぜひご期待ください。

「本家」の貫禄、見た目だけで圧倒される『坂内食堂』

最初に取り上げるのは大御所『坂内食堂(喜多方市)』です。「えー?東京にもあるよね」、と言われそうです。もちろんチェーン店(全国に70店ほどある「喜多方ラーメン坂内」は「坂内食堂」ののれん分け、と言われています)も悪くないですが、現地にある本家は一味も二味も違います。その秘密をご紹介します。

坂内食堂

まずその店構えが素晴らしい。緑色の大きな看板と堂々たる建物が目を引きます。貫禄のあるのれんをくぐると、昭和初期にタイムスリップしたかのような店内にほっとするのは私だけではないでしょう。入り口左手で食券を買い、席に着きます。最初にいただくのはまずはビール。すると白菜のお漬物がお通しとして提供されます。これが旨い。喜多方のおばあちゃんが漬けました!と言わんばかりの懐かしい味に、ビールが止まりません。

坂内食堂(お通しのお漬物)

続いて、お待ちかねの「しなそば」が到着しました。坂内食堂の定番である円形に並べられたチャーシューがきらきらと光り、透き通ったスープも黄金色に輝いています。見た目だけで圧倒される一杯です。

坂内食堂(しなそば)

喜多方ラーメンの特長は「平打ち熟成多加水麺(ひらうちじゅくせいたかすいめん)」と言われています。文字の如く、水分を多く含ませじっくり寝かせてつくるので麺にはコシと独特の縮れがあるのが特徴です。スープは店によって千差万別で、坂内食堂の「しなそば」は醤油というより塩ラーメンに近いあっさりした味わいです。一口飲むとふくよかな味わいが口の中に広がります。旨い。チャーシューもめちゃくちゃやわらかい。少し残ったビールをグラスに注ぎ、チャーシューをつまみながら飲み干す。この上ない幸せです。ビールと漬物とラーメン。夢見心地のまま、あっという間に食べ終えました。

7時開店、伝統を受け継ぐ人気店『一平』

続いて、喜多方駅から北へ車で約10分の場所にある『ラーメン一平(喜多方市)』をご紹介します。喜多方ラーメンと言えば「朝ラー」。同店は「坂内食堂」と並び、その伝統を受け継ぐ店の一つで、朝7時から営業している貴重な存在です。

一平

筆者も朝7時に突撃しました。開店前からお客様が並んでいます。朝からビールと行きたいところですが、自転車なのでノンアルビールにしました。

一平(ラーメン)

続いてスタンダードな「ラーメン」をセレクト。喜多方ラーメンを世に広めた「喜多方老麺会」のホームページによると、同店のスープは豚骨ベースに煮干しを合わせたようで、あっさりしつつも奥深い味わいです。チャーシューは坂内食堂と同じく豚バラ肉を使用しており、脂身と赤身のバランスが見事。まさに店が掲げる「毎日でも食べたいラーメン」という理念を体現した一杯でした。なお、背脂入りの「じとじとらーめん」も人気ですので、訪問の際はお好みに合わせてお選びください。

「ラーメン一平」で朝ラーをいただいた後は、自転車で喜多方界隈を散策しました。向かった先は「蔵の町並み」です。喜多方市は飯豊連峰(福島・山形・新潟にまたがる山塊)の雪解けがもたらす豊富な伏流水と農産物に恵まれ、古くから醤油・味噌・酒などの醸造業が栄えてきました。今も多くの蔵が残る「蔵の町」としても知られています。良質な醤油や味噌が地元にあるからこそ、喜多方ラーメンが育まれたのかもしれませんね。

蔵の町(小原酒造)

一文字に並べられたチャーシューが珍しい?淡麗中華そば『はせ川』

運動してお腹がすいたところで、「一平」近くの『はせ川(喜多方市)』に行きました。今日の2杯目です(笑)。

はせ川

まずはチャーシューとメンマを炒めたおつまみと、ノンアルコールビールをいただきました。銘柄は「バドワイザー・ゼロ」。アメリカ産のノンアルがあるとはなかなか洒落ています(笑)。

はせ川(おつまみ)

続いて「醤油ラーメン」が届きました。ふと気がついたのは、喜多方ラーメンのチャーシューは、坂内や一休のように丸型に並べられているイメージでしたが、同店は平行にならんでいます。なんか凄い発見かも知れません(笑)。

はせ川(醤油ラーメン)

もちろんラーメンは申し分ありませんし、三角巾姿の地元女性スタッフがとても気さくな方ばかり。お洒落なバドワイザーとのギャップ萌えが印象的なお店でした。

もつ煮が一押し、メニューもサイズも豊富な 『すがい 本店』

最後に、市内南部にある『すがい 本店(喜多方市)』をご紹介します。

すがい

同店の推しは何といっても「もつ煮込み」です。喜多方ラーメンのお店はサイドデイッシュをあまりおかないのですが、「すがい」は他にも「餃子」「牛丼」「メンチカツ」など食べたくなる料理がズラリ。「もつ煮込み」にいたっては「大」「中」「小」と3つのサイズが用意され、人数やお腹具合にあわせ選べるというサービスぶりです。筆者は「小」と「しょうゆらーめん」を注文。もつ煮込みは白味噌ベース。もつは驚くほど柔らかく、口の中でとろけるような食感が特長です。

すがい(もつ煮込み小)

ラーメンは中太の平打ちちぢれ麺にあっさり醤油スープがほどよくからみます。メニューには、「塩ラーメン」と「味噌ラーメン」も用意されており、「もつ煮込み」のサイズと同様、「お客様ファースト」の素晴らしいお店でした。

すがい(しょうゆらーめん)

今回は喜多方出身の友人が薦めるラーメン店4軒をご紹介しました。喜多方ラーメンは、札幌ラーメン(北海道)、博多ラーメン(福岡県)とならび、日本三大ラーメンに数えられます。札幌、福岡は人口100万人をゆうに超える大都市ですが、4万人ほどの喜多方市が三大ラーメンの一つとは凄いことです。市内には100軒ほどのお店があると言われ、人口当たりのラーメン店は全国でも有数とか。冬季五輪が盛り上がる今、スキージャンプにたとえれば「K点越え」の美味しいお店がそろう喜多方ラーメン。是非皆さまもお楽しみください。

文・写真/十朱伸吾

おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。