盗んだアラがカマ焼きに、釣った魚は高級料理に…記者が見た“格安飲食店”の異常な仕入れ
◆中国人向けの“裏メニュー”
「この店に来れば、埼玉や東京で同胞が釣った新鮮な魚が食べられると聞いたんだけど」
中華料理店には不似合いなヴィトンのモノグラム柄のエプロン姿のママに尋ねると、「アルヨ!」と元気な返事が返ってきた。そして一旦奥に下がった彼女から渡されたのは、記者の手元にあるものとは別のメニュー。ザリガニ、すっぽん……日本人にはなじみのない料理が並ぶ。店内を見渡すと、中国人客のテーブルにはこのメニューが配されている。まさに“裏メニュー”だ。どうやら、「烤鱼(焼き魚)」が在留中国人から買った食材を使った料理らしい。
◆仕入れの違法性は?
「趣味で魚や貝を取る遊漁者でも、切り身や刺し身にして売る場合は、食品衛生法に基づき保健所の営業許可がなければ違法です。でも、釣った魚をそのまま売るなら許可は不要。実際、地方の沿岸部にある飲食店の店先で『釣った魚買います』という貼り紙を見たこともあります。ただこうした販売を継続的に行っていると判断されれば、“商売”となり違法の疑いが濃厚。密漁ということになります。ただ、日本では遊漁への規制が緩く、あいまいなのが実情です」
こうした背景があるからか、仕入れ値ゼロで海産物を入手する密漁は後を絶たない。誰もが驚く安値実現の裏には、ときにグレーゾーンギリギリの攻防も存在するのだ。
【日刊食料新聞社代表取締役 木村岳氏】
生鮮食品流通の専門全国紙で、築地市場時代から卸売市場を精力的に取材、執筆。市場関係者から知己も多く、情報の精度に定評
※週刊SPA!2月10日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[物価高なのに[異様に安い店]を直撃![激安]の裏側]―
