キタサンブラック 最高のラストラン ファンを愛しファンに愛された稀代のスターホース【思い出に残る有馬記念】

写真拡大 (全3枚)


第62回有馬記念 1着・キタサンブラック 武豊騎手と北島三郎オーナー(c)SANKEI

今年で70回目を迎える有馬記念が12月28日(日)に開催。それに先駆けてYoutubeチャンネル「テレビ東京競馬チャンネル」では総勢20名のホースマンに「思い出の有馬記念」について深堀り!

その中でも多くのファンに愛された名馬が感動のラストランを迎えた2017年の有馬記念をピックアップ。

2017年キタサンブラック

年の瀬に行われる有馬記念を最後に、現役を引退する馬は数多く存在する。

最近ではレース後に引退式を行う馬も増えているが......その中でも最も印象的なラストランを迎えたのは2017年のキタサンブラックかもしれない。

日本を代表する演歌歌手・北島三郎氏の所有馬として知られるキタサンブラックは500キロを優に超える大きな馬体の持ち主で、近年稀に見るグッドルッキングホース。

流星が鼻のところまでスーッと伸びているという顔立ちは今村聖奈騎手も「カッコよくて、とても好きな顔立ち」と評するほどだった。

そんなキタサンブラックですが、マイナーな血統と大手の牧場で生まれ育ったわけではないという生い立ちがもとで、デビュー当時は走れども走れどもなかなか人気にならず。

重賞初制覇となったスプリングS、GⅠ初制覇となった菊花賞ではともに5番人気に留まった。

しかし、毎回のように人気以上の結果を出してきたキタサンブラックは4歳になると武豊とタッグを組むようになり、人気者へ仲間入り。

4歳秋に迎えた京都大賞典でキャリア12戦目にして初めて1番人気に支持され、続くジャパンCも制覇。

しかし、その勢いのまま迎えた有馬記念はサトノダイヤモンドにクビ差交わされて2着に敗れた。

年が明け、5歳となったキタサンブラックは年明け緒戦の大阪杯、前年にも勝利した天皇賞(春)を連勝。稍重馬場で行われた宝塚記念で9着と大敗したが、秋には立て直して天皇賞(秋)を制して天皇賞春秋連覇を達成。

連覇を目指したジャパンCは3着に終わるが、続く有馬記念を最後に陣営は引退することを発表。

ファンを愛し、ファンに愛された稀代のスターホースのラストランとしてこの年の有馬記念は大きな注目を集めることになった。


第62回有馬記念 武豊騎手騎乗のキタサンブラックが優勝(c)SANKEI


自分の力を出し切り、最高のラストランに

宝塚記念の大敗はあったとはいえ、この年のキタサンブラックは古馬中長距離GⅠに皆勤して[3・0・1・1]という圧倒的な成績をマークするなど、現役最強の座をガッチリとキープ。

そのため、ファン投票でも最多となる12万4641票を得て、レース当日も単勝オッズ1.9倍の1番人気に。

ファンの焦点は「キタサンブラックがどんな走りを見せてラストランを飾るか」の1点のみだった。

ゲートが開くと、キタサンブラックが完璧なスタートを決め先頭に立つと、すぐ後ろにヤマカツエースとシャケトラが付け、ジャパンCを制したシュヴァルグラン、宝塚記念馬サトノクラウンは中団に付けるという展開に。

逃げたキタサンブラックは前半1000mを61秒6というスローな流れに落として脚を溜めると、勝負所で再度加速していく。

そうして迎えた直線、大観衆の目は先頭を走るキタサンブラックに釘付けになった。

先頭はキタサンブラックのまま。後続は懸命に前を行く王者を追いかけるも、キタサンブラック渾身の逃げを捕まえることができず、内からクイーンズリングが伸びてきたが、それでもキタサンブラックには届かず。

最終的にキタサンブラックは2着馬に1馬身半を付けてそのまま逃げ切り勝ち。ラストランを有終の美で飾り、GⅠ7勝目を挙げた。

このレースにレインボーライン(8着)に騎乗した岩田康誠は自身の遥か前を走っていたキタサンブラックの雄姿を見て「引退レースで勝って引退するというのが印象的だった」と語るほどだった。

ファンを愛し、愛され続けたスターホース・キタサンブラックはこれ以上ないくらいに最高の形でラストランを終え、レース後に行われた引退式でも多くのファンに惜しまれつつ、ターフに別れを告げた。


■文/福嶌 弘

■第70回有馬記念(GI)枠順
2025年12月28日(日)5回中山8日 発走時刻:15時40分

枠順 馬名(性齢 騎手)
1-1 エキサイトバイオ(牡3 荻野極)
1-2 シンエンペラー(牡4 坂井瑠星)
2-3 ジャスティンパレス(牡6 団野大成)
2-4 ミュージアムマイル(牡3 C.デムーロ)
3-5 レガレイラ(牝4 C.ルメール)
3-6 メイショウタバル(牡4 武豊)
4-7 サンライズジパング(牡4 鮫島克駿)
4-8 シュヴァリエローズ(牡7 北村友一)
5-9 ダノンデサイル(牡4 戸崎圭太
5-10 コスモキュランダ(牡4 横山武史)
6-11 ミステリーウェイ(セ7 松本大輝)
6-12 マイネルエンペラー(牡5 丹内祐次)
7-13 アドマイヤテラ(牡4 川田将雅)
7-14 アラタ(牡8 大野拓弥)
8-15 エルトンバローズ(牡5 西村淳也)
8-16 タスティエーラ(牡5 松山弘平)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。

【有馬記念】「タバルへの声援が嬉しかった」メイショウタバルを生んだ母馬と北海道で暮らす女性の思い

【思い出に残る有馬記念】ディープインパクト あまりに見事な、完璧すぎるラストラン

【思い出に残る有馬記念】ドウデュース 武豊を愛し、武豊に愛されたヒーロー