藤井 風、『EIGHT-JAM』特集完結へ 名曲「きらり」「満ちてゆく」の裏側、プロが唸った名曲5選とは?
9月7日放送の音楽番組『EIGHT-JAM』(テレビ朝日系)にて、「藤井 風特集」の完結編が放送される。前週の特集に引き続き、120分にわたって行われた藤井へのロングインタビューをもとに、9月5日にリリースされたばかりの最新アルバム『Prema』や、謎に包まれた素顔に迫っていくという。
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前週の放送では、スタジオゲストのYaffle、STUTS、清塚信也、江粼文武をはじめ、Awich、川谷絵音、TAIKINGといったアーティストが藤井の楽曲の魅力を解説。加えて、これらのアーティストからの質問に藤井が答えることで、名曲の制作秘話も飛び出す貴重な時間となった。
藤井が『EIGHT-JAM』に初出演したのは、2021年のこと。同年9月に行われた無観客ライブ『Fujii Kaze “Free” Live 2021』の開催当日に、村上信五と安田章大が現場に向かい、彼へのインタビューを行ったのだ。あれから約4年ぶりの番組出演となるが、藤井は当時のことをしっかりと覚えているという。
『EIGHT-JAM』では何度もプロアーティストから藤井の楽曲が紹介され、川谷も彼のすごさを熱弁してきた1人だ。そんな川谷が今回の放送でコメントを寄せたのが、彼自身が2023年の「年間マイベスト10曲」の1位に選出していた「花」。「いつも子どもでも分かる擬態語や擬音語がお洒落なメロディに乗っているが、藤井 風だからできること」と見解を述べ、メロディにぴったりの言葉が乗せられていることを「針の穴を通すような言葉とメロディの組み合わせ」と表現した。
それをスタッフが藤井に伝えると、「そんなことはない」と本人は謙遜。彼の楽曲はほぼメロディから生まれているのだといい、作詞に取り掛かるのはメロディや曲の構成が大体決まったタイミング。「歌って気持ちいいかどうかを優先させたいですよね」と、メロディに自然と合う言葉を選ぶようにしていることも明かした。「きらり」にも〈さらり〉〈ほろり〉〈ゆらり〉といった言葉が登場するが、当初は「suddenly」「certainly」といった英語を想像していたものの、日本語の曲にしようと考え、置き換わる言葉を探したのだという。
デビュー曲の「何なんw」に代表されるように、楽曲に方言が登場するのも藤井の特徴である。Awichは「方言や訛りがとても魅力」とし、清塚も「その奇抜さはもちろんのこと、メロディとしてではなくリズムとして採用しているかっっこよさ」と絶賛した。さらにAwichは、「今はそれがトレードマークになってるかもしれませんが、最初は標準語にしなきゃいけないなど悩んだことはありますか?」と質問。これに対し藤井は「No」と答え、知らなくても意味が伝わりそうな方言であれば歌詞に使うと話す。一方で、「罪の香り」に登場する〈もうヤメたり〉のように、自身が方言と知らずに歌詞に採用したフレーズもあるという。中にはそんなミラクルもあるようだが、結果として曲中の方言や訛りは、聴く者を惹きつけるエッセンスになっているのだ。
川谷は、自身が2024年の「年間マイベスト10曲」の1位に選出した「満ちてゆく」のイントロも魅力的だという。「(イントロの)8コード目でルートが半音が上がったメジャーセブンスになるところが、優しくて優しくて。そこだけで泣けます」という川谷の言葉をスタッフが伝えると、藤井は「マニアックすぎる」と笑う。目の前にあるピアノを弾きながら、「ここのことですね」と実際にコードを鳴らし、さらに「ぶっちゃけて言いますと……パティ・ラベルさんの『If Only You Knew』という曲があって、(その曲に)すごくインスパイアされているイントロです」と明かした。
普段から曲を聴いていて気になったコード進行があったら、それがどういう風に成り立っているのか研究しているのだという。彼の音楽センスは、そうやっていろいろな楽曲に触れることで日に日に磨かれていっているのだろう。音楽への深い探求心が、彼の多彩な楽曲作りに結び付いているのだと感じた。
番組の終盤では音楽ルーツも語られた。もともと、幼い頃にピアノを弾いた動画を父親がYouTubeに投稿したことから、その音楽人生が始まった藤井。大人になってからは、自分が将来やりたいことに繋がるはずだと信じ、自らの意志で動画を投稿するようになったという。
最初はピアノ演奏のみだったが、途中から弾き語りもするようになった。「歌いたいって気持ちはあった?」と問いかけられると「小6の卒業アルバムには『歌って踊って演奏して』みたいなことを将来の夢に書いていたので。その頃には少なくともあったと思う」と振り返る。そして、思い出したように「EXILE系でした、当時好きだったのは」と笑った。彼の楽曲を踏まえれば意外なルーツと思えなくもない。だが、ピアノを演奏して、歌って、さらにMVやライブでダンスも披露しているのを思えば、全部が繋がっているようにも感じる。子どもの頃に見た夢の延長線上に、藤井は今立っているのだろう。
3年ぶりにリリースされた『Prema』は、全編英語詞。収録曲の「Hachikō」はサー・ノーランと250がプロデュースを務めるなど、新たな挑戦が見られるアルバムだ。続きのインタビューでは、アルバム収録曲や、アルバム制作にまつわる裏話がたくさん聞けるのではと期待してしまう。2週にわたってオンエア中の『EIGHT-JAM』藤井 風特集。“完結編”となる今夜の放送に注目だ。
(文=かなざわまゆ)
