投資家・田端信太郎が語る「リアルゲイト投資」の真意と渋谷再開発への提言

“愛と誠のアクティビスト投資家”の田端信太郎氏が、自身のYouTubeチャンネルの動画『とある上場企業の大株主になりました。』で、不動産会社リアルゲイト（東証グロース：5532）への大型投資を公表し、その理由と現代の都市開発における「新築至上主義」への痛烈な問題提起を語った。

田端氏は動画冒頭、メルカリ株に次ぐ「第二章の銘柄」としてリアルゲイトに約1.8億円（12万株）を投資し、第4位の大株主（所有割合2.1％）になったことを明かした。その上で、「なぜこの会社に投資しようと思ったかの問題意識」として、渋谷サクラステージをはじめとする都心の再開発に対し疑問を呈した。動画撮影スタッフからの「（渋谷サクラステージは）閑古鳥が鳴いている」との声を紹介しつつ、「新しい建物を次々に建てれば良いという、この発想自体が間違っていると思いませんか？」と視聴者に問いかけた。防災面の必要性は理解しつつも、「建築費が上がっているんですよ。こういう新しい建物ばっかり建てる再開発のやり方が不動産の経済合理性の面から見てもいかがなものかという時代にもなっているんです」「エコでもないし、一生活者としても画一的なビルばかり建っても面白くないじゃないですか」と、新築偏重の風潮を多角的に批判した。

田端氏は、古いビルでもリノベーションによって新たな価値が生まれるという持論を展開。「築30〜40年かもしれないけど、きちんと手を入れてリノベーションして新しい命を吹き込んで使っていけば、むしろそっちの方がカッコ良くおしゃれな唯一無二の体験価値になる建物がいっぱいあるんです、東京には」と熱弁。その上で「こんな建物建ててさ、中ガラガラでお客も来なくてどうすんの？」と述べ、「渋谷サクラステージみたいに閑古鳥が鳴いていたら儲かるわけないだろ。センスねぇな。MIYASHITA PARKの三井不動産の方がよっぽどまともだよ」「はっきり言って東急不動産からすると恥をかいているよね。宮下公園は渋谷の象徴的な場所だったのに三井不動産にあのように良い感じにされて。見てくださいよサクラステージ、ダサっ」と辛辣な言葉で既存の再開発を批判した。

そうした問題意識から、リアルゲイトの事業を「まさに世の中が必要としている会社だと思う」「このような東京の街に一番必要な事業をやっている、センスや能力を持っているのがリアルゲイト」と高く評価した。

同社への投資のきっかけは、半年以上前のYouTube企画「株さんぽ」で、渋谷のタワーレコード前で同社のフラッグシップ物件「PORTAL POINT SHIBUYA」を見かけたことで、その後IR担当からの連絡を経て会社訪問し、岩本裕社長と面会したという。岩本社長の印象については「僕以上のおじさんです。頭がツルツルで筋肉ムキムキのプロレスラーみたいな方です」とユーモラスに語った。

動画の後半では、リアルゲイトの岩本社長も登場。同社のビジネスモデルについて「古いビルを再生してそのビルをスタートアップ企業に貸して賃貸業を営むという、古ビルの再生会社なんですね」と説明。「私たちの特徴は旧耐震のビルを技術的に直したり、検査済証がない違法建築を直す。プチ整形ではなく整形外科手術みたいなことをやって直して建物の価値を上げるんです」とその独自性を強調した。また、「技術力と運営力を鍛えておくと、なかなか追いつけないです。真似のできない技術力と運営力」と事業の優位性を語り、工事だけでなく、物件の企画から運営まで一気通貫で行うことでノウハウを蓄積しているとした。

田端氏は「リアルゲイトのような会社が伸びることが、結果的に東京の都心の街が良くなって、街が良くなるということは入居しているテナントが伸びて、会社が伸びるということは経済が回るということ」と、同社への投資が持つ社会的意義についても触れた。

今後の展望として、ホテル事業への挑戦も明かした。岩本社長は「無人で運営するスモールオフィスの上に、無人で運営する中長期滞在用のホテルを入れると、そのようなつくりは面白いんじゃないかということで取り組みを始めています」と構想を語り、田端氏も「リアルゲイトのつくっている空気感はエースホテルに似ていると思っている」「めちゃくちゃポテンシャル感じます」と期待を寄せ、動画を締めくくった。