スポティファイは24年12月期の売上高が前年比18.3%増の156億7300万ユーロ(約164億5600万ドル)、営業損益は前年の赤字から13億6500万ユーロ(約14億3300万ドル)の黒字へと転換した。面白いのは、10周年を迎えた「スポティファイまとめ」と呼ばれる年末企画で、これは1年間の履歴をもとにユーザーごとの年間ランキングとプレイリストをカスタマイズして展開するというサービスだ。昨年は二人のAIホストが登場し、ランキングについて語り合うという企画を展開したが、これが大好評で2億4500万人を超えるリスナーが参加したという。AIの顧客サービス導入の好例だろう。

◆ビッグテックの中ではメタだけがAI導入の目に見える成果を

 これらの各社は業績が好調であるとともに、株価がここにきて急上昇しているが、背景にはやはり、昨年後半から投資家たちが投資対象をシフトしていることがあるだろう。はっきり言ってしまえば、昨年前半にエヌビディアで稼いだ利益をどこに移動すればいいか、と考えた結果ではないだろうか。

 エヌビディアは結局、昨年1年間で株価が2.7倍、2年間なら9倍になったわけだが、今年も同じようなパフォーマンスを上げると考えるのはさすがに無理がある。他のハイテク大手を見ても、生成AIブームの仕掛け人であるはずのマイクロソフトでさえ24年10-12月期は前年同期比で最終利益が10%程度しか伸びず、株価も24年の1年間で10%超しか上昇しなかった。ではどこに資金を振り向ければいいかと考えていたところに、こうした準大手クラスの企業の業績が伸び始めていたというわけだ。

 もちろん、AIムーブメント自体はこれからも続くだろうし、ハイテク大手もその恩恵を受けることは確かだろう。だが、各社が力を入れているAIへの巨額投資が生きるのかはまだ不明だ。GAFAMの中ではアマゾンが24年12月期は北米事業、広告、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)ともに高い成長を続けているが、やはりAIへの投資額が増え続けている。23年は約600憶ドル、24年は約800億ドルだから、このままいけば25年は1000億ドルに達するかもしれない。果たしてそれに見合う成果を生み出すことができるのか。まだ過剰投資と決めつけることはできないが、現時点では成果が上がっているとは言えない。

 一方、目に見えて成果が上がっているのがメタ・プラットフォームズ だ。24年12月期は売上高が前年比21.9%増の1645億100万ドル、営業利益が同48.4%増の693億8000万ドルと想定以上の高い成長を遂げた。主力の広告事業では、同社の提供する生成AI広告作成ツールを活用する広告クライアントの数が急増している。その数は半年前の100万から400万に達したといい、生成AIが売り上げ増に直結しているのだ。