ハッチバックタイプの車のラゲッジスペースに装着されている“トノカバー”

ハッチバックやステーションワゴンなどリアガラスの角度が寝ている車のラゲッジスペースには、多くの車で“トノカバー”が装備として用意されています。このカバーは、車内の荷物を隠すためのカーテンやシェードのような役割を果たすものです。

外から車内を覗き込まれたときに荷物を見えなくすることで、荷物狙いの車上荒らしといった被害のリスクを軽減します。プライバシーの保護にも役立ち、駐車中に、トランクスペースに置いた荷物から性別や居住地などが知られることを防ぐ効果もあります。

また、トノカバーは車内の見た目を整える役割も担っています。ラゲッジスペースに置かれた荷物が外から見えないことで、車内が整理されて見える効果があります。これにより、車の内装がすっきりとした印象を与えることができます。特に、家族や友人を乗せる際には、車内が整然としていることが重要です。

さらに、トノカバーを装着することで荷物を直射日光から守ることも可能です。直射日光にあてたくない食材などを運ぶときにもトノカバーは役に立ちます。

トノカバーにはいくつか種類があり、リアガラスの角度が寝ている車以外にもトラックやオープンカーにも装着される場合があります。それらと区別するため、リアガラスの角度が寝ている車では「パーセルカバー」や「トノボード」といった呼称を使用される場合もあります。

あれ?自分の車にはついてない…標準ではなくオプション化も

ハッチバックやステーションワゴンの車ではほとんどの場合でトノカバーを装着することができますが、最近では、トノカバーが標準装備ではなくオプション扱いとなっているモデルも増えてきました。

これは、車内の様子を見えにくくするプライバシーガラスが多くのモデルで採用されていることから、プライバシーの保護はそれで十分と判断し、トノカバーが不要だというユーザーが増え、またメーカーにとってもコスト削減となるためです。

トノカバーを装着することでラゲッジスペースはトノカバーが覆う範囲までにしか荷物を搭載できないため、その高さよりも多くの荷物を搭載することがほとんどであるユーザーにとってもトノカバーは不要になります。

しかし、プライバシーガラスは見えにくくなっているとは言え完璧に隠すことはできていませんので、直射日光から人々の目から荷物を守りたいという人はトノカバーをオプションとして選択する必要があります。追加費用が発生するため、そのような人々にとってはオプション装備化は望まないことかもしれません。

トノカバーを外すと車内がうるさくなる?

トノカバーの主な役割は目隠しですが、荷物を積んでいない状態でもトノカバーを装着することはメリットがあります。

ラゲッジスペースをすっぽりと覆える、厚みがあるトノカバーの場合は装着することでラゲッジスペース内の音の反響が抑えられ、搭乗スペースへ届く車の後方で発生した音を低減することが可能です。

また、エアコン等を使用して車内の温度を調節する際にも、ラゲッジスペースが覆われていれば、エアコンが出す冷気または暖気がそのスペース分だけ少なく済むため、エアコンの効率も向上。燃費にも良い影響を与えると考えられます。

いずれもその効果は顕著ではないものの、トノカバーを装着することで荷物の保護だけでなく快適性をより高める装備としても活用することが可能です。

また、丈夫な材質かつ凹みや段差があるトノカバーの場合は、軽いものであればその上に荷物を載せることも可能です。荷物を載せる際はブレーキ操作時に搭乗スペースへ滑り落ちてこないよう、凹みや段差でひっかかる位置であることを確認しましょう。

外すと邪魔になる?出先では外せない?

トノカバーはモデルによって1枚のボードか巻き取り可能なロールに分かれています。トノボードで覆う範囲よりも高い位置に荷物が載る場合は、ロールタイプであればロールを巻き取っておけばよいのですが、ボードタイプの場合は外す必要があります。

外したボードをトランクスペースに置ければよいのですが、載せる荷物の量や大きさによってはボードをしまう場所がない場合があります。イギリスでは茂みにトノカバーを投げ捨てるという作法があるかもしれませんが、基本的には持って帰りたいものです。

ボードタイプでもロールタイプでも、モデルによっては外したトノカバーを収納するスペースや方法が用意されている場合があります。トランクスペースのさらに下部、スペアタイヤやパンク修理キットがあるスペースにそれが収まるちょうどよい空間があったり、ボードを裏返して装着するとリアシートの背もたれ背面にぴったり沿ったりといったことが例として挙げられます。

これらはあくまでも一例であり、モデルによっては収納方法は異なったり、トノカバーの収納ができないモデルもあります。車の取扱説明書に記載されていることがあるため、トノカバーの使用方法や収納方法を詳しく知りたい場合は取扱説明書を確認してみましょう。