QualcommがAppleとスマホ「iPhone」向け5G対応通信モデムの供給を2026年まで延長!Appleが2026年には自社製通信モデムを採用へ
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QualcommがAppleへの通信モデムの供給を2026年まで延長!iPhoneの通信モデムは早ければ2024年にも自社製へ |
Qualcomm傘下のQualcomm Technologiesは11日(現地時間)、新たにAppleとスマートフォン(スマホ)「iPhone」など向け通信モデム「Snapdragon 5G Mobile-RF System」の供給を2024〜2026年まで行う契約を締結したと発表しています。同社ではこの契約が5Gの技術と製品において持続的に牽引している実績をさらに強化するとしています。
一方、Qualcommが投資家向けに公開した資料ではAppleが2026年に発売するスマホの通信モデムにおいてSnapdragon 5G Modem-RF Systemを採用する比率が20%を想定していると記載されているため、少なくとも2026年にはSnapdragon 5G Modem-RF System以外の通信モデムを採用することになります。
一方、Appleでは各部品を自社製に順次切り替えており、通信モデムについても開発中であるため、遅くとも2026年までには自社製の通信モデムを採用したスマホ(順当なら「iPhone 18」シリーズなど)が投入されると見られ、資料では2024年や2025年については触れられていないため、早ければ2024年にも自社製の通信モデムを採用したスマホが発売されると推察されます。

Appleでは2019年にIntelのモデム事業の大部分について買収しており、買収によって携帯電話システムにおける規格からモデムの設計、製造、動作までの通信関連特許が既存のものと合わせて17000を超え、iPhoneやタブレット「iPad」などにおける携帯電話システムに対応した通信モデムの開発を進めているとされています。
なお、AppleではIntelのモデム事業の大部分を買収する際に同社のHardware Technologies部門副社長のJohny Srouji氏が「成長を続けるAppleの携帯電話部門に非常に多くの優秀なエンジニアが加わり、さらに革新的な知的財産を大幅に獲得することで、将来の製品の開発が促進され、さらに前進して他社と差別化ができるようになるだろう。」とコメントしていました。
一方、AppleはIntelのモデム事業の大部分を買収する以前にQualcommと長らくライセンス料を巡って対立しており、一時的にQualcommから通信用チップを調達できずにしましたが、買収を発表する直前の2019年4月に全面的な和解に達し、同時にIntelが5G対応の通信モデムの開発を中止したこともあってそれ以降はQualcommの通信モデムを採用しています。
また和解の条件として当時開発中だった「Snapdragon X65 5G Modem-RF System(SDX65M)」または「Snapdragon X70 5G Modem-RF System(SDX70M)」をAppleが採用することになっており、実際に昨年発売された「iPhone 14」シリーズではSDX65Mが採用されていました。恐らくまもなく発表される「iPhone 15」シリーズにはSDX70Mが採用されているのではないかと予想されます。
そのため、順当であれば来年は和解の条件をクリアしているため、Qualcommからの通信モデムの供給を受けなくても良くなりますが、Appleでは自社製の通信モデムの開発が当初の計画よりも遅れているためか、今回、Qualcommと新たに2026年まで通信モデムの供給を受ける契約が締結されました。
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