ミスティックロアの敗因を分析 血統面では重賞級の大器
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返るレパードS
【Pick Up】ミスティックロア:14着
1コーナーで馬鹿ついて外にふくれ、その後もまったくエンジンが掛からず、1番人気を裏切りました。川田騎手は「精神面の幼さが出て、競馬になりませんでした」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と敗因を語っています。
父アロゲートは、アメリカでブリーダーズCクラシックを含めてG1を4勝した名馬。種牡馬としてもアルカンジェロ(ベルモントS)、シークレットオース(ケンタッキーオークス)などを出しています。わずか7歳で早世したため3世代しか産駒を残せず、現2歳がラストクロップです。2023年の北米種牡馬ランキングは現在21位。稼働世代が少ないことを考えれば上出来でしょう。
JRAで走った産駒は12頭中10頭が勝ち上がり、連対率32.2%、1走あたりの賞金額260万円はきわめて優秀です。そして、1番人気の連対率は63.0%と抜群の成績なので、ムラ駆けタイプでもありません。
今回の敗戦は、レース展開、相手関係、体調等によるものではなく、川田騎手が語ったように、ミスティックロア自身に何らかの精神的な問題が生じたことが原因です。
次走以降、今回と同じようなトラブルが生じるかどうかは現時点では何ともいえませんが、コントレイルの母ロードクロサイトの4分の3弟にあたる良血でもあり、立ち直れば重賞でも勝ち負けに持ち込める器でしょう。
◆血統で振り返るエルムS
【Pick Up】セキフウ:1着
2歳時の兵庫ジュニアグランプリ以来、久々の重賞勝利です。
父ヘニーヒューズは、今年に入りペリエール(ユニコーンS)、ゼルトザーム(函館2歳S)に次いで3頭目の重賞制覇で、エルムSは昨年のフルデプスリーダーに続く連覇となります。
2021年以降、全日本ダート種牡馬ランキング(中央ダート+地方)のトップを維持しています。2位シニスターミニスターは、ミックファイア、テーオーケインズ、グランブリッジといった大物を擁しているので、今年はこの2頭のハイレベルな競り合いが年末まで続きそうです。
ヘニーヒューズはすでに高齢で、なおかつ種付け料が500万円(2023年=受胎確認後)と高額なので、日高の牧場目線でいえば、おいそれと交配申し込みをできるレベルの種牡馬ではありません。そのため、アジアエクスプレス、モーニンといった、父よりも種付け料が安い後継種牡馬も人気を博しています。
前者の仔ワールドタキオンは今回セキフウの2着となり、後者は現時点で地方競馬のファーストシーズンサイアーランキングで独走しているだけでなく、2歳種牡馬ランキングでもトップに立っています。
セキフウは、ビッグアーサー(高松宮記念、セントウルS)の半弟という良血なので、将来的には種牡馬となるかもしれません。ヘニーヒューズ系の人気ぶりから考えて、多くの花嫁を集めるでしょうし、兄ビッグアーサー同様、成功する可能性も十分あると思われます。
