心と心の結びつきが人の「きずな」を強める!【私の雑記帳】
商品を単に右から左に流すやり方では駄目と、SPA(製造小売業)の形態を開発。そこで、柳井さんは香港の華僑を通じて、中国で製造拠点づくりに進んだ。
柳井さんは、『LIFEWEAR』(究極の普段着)という経営理念を掲げ、質のいいものをそれなりの値段でと、カジュアル世界1を目指すと邁進。
当然、苦労が続いたが、『ユニクロ』が知られるようになるのは、1998年に東京・原宿に進出した時。その頃、日本はデフレが始まり、SPAで素材開発に注力してきた『ユニクロ』は、寒い時期に軽くて暖かい『フリース』で消費者の支持を獲得した。
さらに保温性のある『ヒートテック』を東レの技術陣と丁々発止の対話を重ねて開発するなど、挑戦が続いた。〝諦めない〟精神が逆境(デフレ)の中を生き抜く力となっていく。
環境変化の中を挑戦
『諸行無常』─。挑戦し続けてきた柳井さんが最近口にする言葉。
「あらゆるものが変わっていく。人間は死ぬんだと。死ぬのだったら、死ぬ前に何かやりたい」
また、「こういう事ができるという事に向かって努力する」とも柳井さんは言う。
『ユニクロ』も、またニトリもアイリスオーヤマも、〝失われた30年〟に伸びていった企業。3社に共通するのは、消費者を惹きつける商品の企画力。逆境も『人』を成長させる。
人口減、少子化・高齢化は続く。この中をどう生きるかという日本の課題である。
東京工業大の決断
年間の新生児が80万人を割ったということに衝撃が走る。
筆者は、いわゆる団塊の世代で、1947年(昭和22年)の生まれ。1947年から1949年までの間、年間270万人から280万人が生まれた。戦後発展のエネルギーはここから生まれたと思うのだが、今はその頃の3分の1しか誕生しない。
今の若い世代には将来への不安、先行き懸念があって、結婚を控え、あるいは結婚しても子供を産まないという動きにつながっているとも言われる。
どう立て直していくか─。これは経済の領域だけでなく、社会、教育、医療、介護全ての領域との関係の中で考えていくべきテーマ。あらゆる分野での再考が必要だ。
東京工業大学が東京医科歯科大学と統合するなど、教育界も再編の時を迎えている。なぜ今、統合なのか?
東京工業大学の益一哉・学長は次のように語る。
「産業界が『失われた30年』に陥ったのなら、その産業界に人材を送っている大学にも責任があると。その思いから、東京医科歯科大学さんとよく話し合って、統合を決意しました」
国、企業、個人の各領域でそれぞれ、国の制度設計、企業経営のあり方、そして個人の生き方の再考が進む。結局は『人』の可能性、潜在力をどう掘り起こしていくか。『人』を育てる教育界も根本からの見直しが進む。
