夏の暑さは、車にも様々な影響を与えます。一般的に知られているのは「黒い車ほど暑くなりやすい」「夏は白い車のほうがいい」といったボディカラーについてですが、実はそれ以外にも影響を及ぼす要素があるのです。

黒い車は暑くなりやすい。では「赤い車」は……?

BMW X6 VANTABLACK(2019年)

熱の反射率が低いとされている「黒」や「緑」は、熱を吸収しやすいという特徴があります。反対に「白」や「黄緑」は熱の反射率が高く、熱を吸収しにくくなります。

「黒い車ほど暑くなりやすい」というのは、熱を吸収しやすくなれば、それだけ車体の表面だけでなく車体内部に熱がこもりやすくなるためです。

実際に、炎天下に3時間以上放置した車の表面温度を測ってみると、筆者の愛車(濃いめのシルバー色)は78.1℃だったのに対し、協力してくれた知人の愛車(白色)は68.8℃という結果となりました。

最も熱を吸収しやすいとされている「黒」と、熱を吸収しにくいとされている「白」とでは、ボディの表面温度に20℃以上の差があるというデータもあります。

クラウン マジェスタ

さらに、「赤」や「黄」などは、熱の影響を受けやすく褪色しやすいと言われています。

実際に褪色した2008年式の赤色の国産ミニバンを見たところ、車体全体が薄いピンク色になっていて、特に天井部分やボンネット部分など、直射日光が当たりやすい部分は、白く変色していました。

赤は化合物の結合が弱く紫外線によって構造が変わってしまい、色が薄くなり徐々に色が褪せていってしまうためです。

こうした現象は道路標識などでも同様に起こります。実際に「一時停止」や「駐車禁止」などの赤色を多く使う道路標識は赤色の部分だけ色が変わってしまっていることがあります。

■車の大きさも車内の暑さに影響するってホント?

さらに、車のサイズによっても、暑さの影響の受けやすさが異なると言われています。

例えば、軽自動車やコンパクトカーのように、車のボディが小さければエンジン内も狭くなりがちなため、熱がこもりやすくなります。

反対に大型セダンやトラックなどボディが大きければ、車体に熱がこもりにくくなると言われています。車に限ったことではありませんが、物理的な空間が広くなればなるほど、熱がこもりやすいのです。

熱の吸収を抑えられるボディカラーも登場

近年では、車の表面温度の上昇を抑えるために開発された「遮熱機能付きボディカラー」を採用している車が販売されています。2015年12月に発売されたトヨタの4代目プリウスには「サーモテクトライムグリーン」と呼ばれるボディカラーが設定されていました。

「サーモテクトライムグリーン」のプリウス

このカラーは、赤外線を反射する粒子を用いた技術が採用されており、炎天下に2時間停めておいても、通常の塗装と比べて5℃以上、表面温度の上昇を抑える効果が期待できると言われています。

直射日光を反射することで、ボディ表面に与える影響を最小限に抑え、耐久性や退色性の向上に貢献しています。

ボディ表面の温度上昇を抑えられれば、車内の温度上昇も抑制できます。エアコンをフル稼働させる時間を短縮でき、車のバッテリー消費の低減にもつながるのです。

その一方で、遮熱カラーは明るい蛍光色のようなビビッドなカラーのため、好みが分かれるのも事実です。また特別な塗装技術のため、通常の塗装と比べて価格が高くなってしまうというデメリットもあります。

こうした塗装を施した車種はごく一部であることも確かなので、夏の暑さによって車内温度が上昇してしまうのを避けたいドライバーは、熱の反射率が高く熱を吸収しにくい「白」や「水色」などのボディカラーを選択することをおすすめします。