平日の昼間や土日祝日の夕方に高速道路を利用すると、渋滞に引っかかってしまう場面も少なくありません。

しかし、近年は新しいルートの開通により、出発点から目的地となる場所まで遠回りをしても同じ金額で高速道路を使えるケースが多いようです。

渋滞回避の”遠回りルート”でも同じ金額になることも!

全国のNEXCO(東日本・中日本・西日本)では、渋滞を解消するため、高速道路の料金設定を見直す動きが進んでいます。

その一例が、NEXCO東日本が進めている「圏央道や外環をより賢く使う料金体系」です。

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東京都内および周辺の高速道路で真っ先に思い浮かぶのが「首都高速道路」でしょう。ラジオでの交通情報を耳にすると大橋や箱崎、両国など各ジャンクション(高速道路同士の分岐・合流地点のこと)で渋滞している情報を耳にする機会が多いです。

国土交通省では、交通渋滞による物流業者をはじめとした高速道路を使う人々への影響を考え、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の通行料金の見直しが提案されました。

提案を受け入れる形で、NEXCO東日本では2016(平成28)年4月に、圏央道から内側に位置する有料道路の料金体系を見直し、「起終点(出発点から目的地)を基本とした継ぎ目のない料金」となるよう対策が行われたのです。

これにより、渋滞を回避した”遠回りルート”でも同じ金額で高速道路が使える仕組みが作られています。

ここで注目したいのは”目的地までの最短距離”で料金が決定するシステムです。

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例えば、ETC(有料道路における自動料金支払いシステム)が装着されたトヨタ カローラなどの普通車で、昼間の時間帯に高速道路を使うと仮定します。

「中央自動車道」の八王子ICから圏央道の「つくば中央IC」まで移動するのに、2022年3月末までであれば、首都高と常磐自動車道を使うと通行料金が3,730円(税込)、圏央道のみ利用すると4,200円(税込)となっていました。

ところが、2022年4月以降は目的地までの最短距離ルールが適用されています。首都高と常磐自動車道を使ったルート、圏央道を使ったルートどちらを利用しても、同一料金の3,710円(税込)となりました。

首都高は2022年4月より料金値上げが実施されたため、最短距離での料金は実質の値上げとなったものの、上記に挙げたルートならどちらを通っても同一料金となります。

事故や渋滞により片方のルートが使えなくなっても目的地へ同じ金額でたどり着けるため、利用者に優しいシステムです。

対象外となる高速道路も…条件を事前にチェックしよう

しかし、「起終点(出発点から目的地)を基本とした継ぎ目のない料金」で高速道路を使うには以下2つの条件を満たさなければなりません。

1つ目にETC装着車であること。ETCを装着していない場合は通常の利用料金がかかるため注意すべきでしょう。

上記で解説した八王子ICからつくば中央ICをETC非装着の普通車で走行したケースでは、圏央道利用なら4,200円(税込)、首都高・常磐道利用なら4,360円(税込)です。

2つ目は、通過するルート次第では目的地までの最短距離が適用されなくなる点です。

例えば、ETCを装着した普通車で平日の昼間、「東名高速道路」の横浜町田ICから常磐道の谷田部ICまで向かうとします。検索で提示されるルートは3,420円、もしくは3,470円の2つのルートです。2つのルートはともに同じ首都高のエリア内を通過するにもかかわらず、通行料に50円の差があります。

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これらの詳細を比較すると、横浜町田から三郷に向かうまでの料金に差が生じています。

東京料金所を通過するルート:800円(東名高速)+1,470円(首都高)=2,270円 横浜青葉JCTから首都高に入るルート:370円(東名高速)+1,950円(首都高)=2,320円

東京料金所を経由して首都高に入るケースでは、首都高の区間では「料金距離」に応じた料金となるため、三郷JCTまでの移動で通行料は1,470円(税込)となります。

しかし、横浜青葉JCTから首都高を利用して三郷JCTまで移動すると、通行料は首都高の上限となる1,950円(税込)です。

2020年3月に横浜北西線が全線開通した際の首都高通行料は、普通車で最大1,320円(税込)。ここで注目したいのは横浜青葉JCTはICも併設されていた点です。

横浜青葉から高速道路を利用すると、東京料金所を経由するよりも横浜北西線から首都高を利用したほうが通行料の上限で利用できるという”矛盾”が生じました。そのため、通行量に偏りが出ないように、当時は横浜北西線から追加で480円支払わなければならないルールが設けられたほどです。

現在は、2022年4月に首都高を通行する際の料金上限が見直されたことで、東名高速から横浜北西線経由で首都高を利用すると、首都高の最大料金がそのまま適用される流れとなっています。

上記の事例以外にも、遠回りルートを選択しながらも同一料金が適用されないケースがあります。あらかじめお出かけ前にルート検索で金額を調べるとよいでしょう。

高速道路の遠回りルートを有効活用して、渋滞に引っかからない、快適なドライブを実現してみてください。