この記事をまとめると

■教習所で一通り学んでも、いざ免許を取得して運転するとヒヤリとすることがある

■運転を諦めてペーパードライバーになってしまったという人も少なくない

■そこで今回は教習所に加えてほしい項目を5つピックアップした

恐怖心により運転を諦めてしまう人も

 クルマを運転する人のほとんどが学んできた、自動車運転教習所。教習所内で学科や技能を学ぶ第一段階を経て、路上教習となる第二段階へステップアップし、教官を助手席に乗せて緊張しながら運転を学んできたと思います。学科でも基本的なことから、万が一事故を起こした時の対処法まで、さまざまなことを学びます。

 でもそれでも、免許を取得して自分ひとりでクルマを運転してみると、まあなんと心細いことでしょう。「え? こんな時どうすればいいの?」と、戸惑ったりヒヤリとするシーンもけっこうあると感じた人も多いのではないでしょうか? なかにはそれで心が折れて、「もう運転するのはやめよう」と逃げ腰になり、すっかりペーパードライバーになってしまったという話もよく聞きます。そこで今回は、もっと教習所で、こういうところを教えて欲しかった、できるようになるまでみっちり習いたかった、と思う項目をピックアップしていきたいと思います。

 1つめは、やはり多くの人が苦労している「車庫入れ」です。これは一応、第二段階の技能教習の中で、1時限だけ「駐車・停車」というテーマの教習があります。でもその内容は、見通しのいい広い場所にポールがコの字に立っているような、単なるくぼみを駐車枠に見立て、バックでの車庫入れを練習するというようなところがほとんど。短い時間だし、横から教官が助言もしてくれるので、できたような気分になるかもしれませんが、実際の車庫入れはそんな都合の良い場所に停める機会なんてほぼないですよね。

 両サイドにでっかいミニバンが停まっている間の枠に入れなきゃいけない時、どうすればいいの? 白線もないような見通しの悪い駐車場だってあるわけで、そういう時に何を目印にハンドルを切っていけば良いのか、何に気をつければちゃんと車庫入れできるのか、もっと詳しく教えて欲しかったと思います。

 2つめは、幹線道路に入る際などの「合流」です。これも実際に免許を取ってから自分で走り始めて、とても怖い思いをすることの一つ。というのも、教習所には「合流」そのものを教えてくれる内容の技能教習時間はないのです。

 第二段階の路上教習に入れば、自然と教習コースに合流地点が含まれることも多いため、実践で教えてくれることになっていると思いますが、路上教習というのはただでさえガチガチに緊張していて教官の言うことに「ハイ!」と答えてその場では指示どおりに運転していても、あとになったら頭が真っ白であまり覚えていない、ということも多いものです。コースのなかで1回くらい合流をやってみたところで、なかなかコツは身につかないのではないでしょうか。1時限でもいいから、合流だけを繰り返し練習できるような内容があったら良いなと思います。

クルマの寄せ方なども項目に加えると役立ちそうだ

 3つめは、「寄せ方」です。たとえばショッピングモールの駐車場に入るところの発券機に、チケットが取りやすいように寄せる方法。マックのドライブスルーで適度にマイクに近くなるような寄せ方。これけっこう、日々の暮らしのなかではよく出てくるシーンですよね。

 カーブの先に発券機があるようなところでは、なかなか上手く寄せられなかったり、寄せすぎてバンパーをガリッとやってしまったり……。かなりショックですよね。教習内容として、「縦列駐車」と言う項目は入っているのですが、駐車のために寄せるのとはまたテクニックが違ってくるものです。短時間でもいいので、こうした「寄せ方」を教えてくれると助かりますよね。

 4つめは、「高速道路での追い越し方」です。路上教習が終盤になってくると、「高速道路での運転」という時間は1時限ほどあります。が、たいていがICから入って、本線のいちばん左車線に合流したら、そのまま制限速度を保って左を走行し続けることが多いものです。確かに、普通の状況ならそれで事足りるかもしれません。でも、前方に障害物が落ちていたり、故障などで停車している車両があったりした場合には、なんとしてもそれを避けるために車線変更をして追い越しをしないといけなくなります。

 その際に、後ろから速いスピードでバンバンと走行してくるクルマがあるなか、どのタイミングで出ていって追い越しをすればいいのか、なかなか最初は掴めないものですよね。また、「高速道路で追い越しを終えたら、速やかに走行車線に戻る」という基本的なことも、ここでしっかりと学ぶべきです。そうすれば、右車線が追い越しのための車線だということを知らず、延々と遅い速度で走り続けてしまうKYな人も減るのではないでしょうか。

 5つめは、「悪天候時の安全運転」です。こうした内容は、学科教習では「悪条件下での運転」という項目が用意されています。でも、ただ机上で聞いただけで、いざ自分がその悪条件下に置かれた時に、すぐ実践できるという人がどれほどいるでしょうか。

 よく、サーキットのドライビングレッスンでは「スキッドリカバリー」と言って、大雨などで濡れた路面で突然滑り出してスピンしてしまう状況を作り、そこからどうやって立て直すのか、危険をより小さく抑えるのか、という内容を学ぶことができます。これは、安全意識の高いドライバーが自分でお金を出して練習するレッスンなんですが、こうした状況は特殊な時に起こるのではなく、ゲリラ豪雨などが増えている昨今では、誰しもが経験することになるかもしれないですね。覚えていて損はない、重要な安全運転のテクニックではないでしょうか。

 ということで、実際に街中や高速道路を運転するようになると、「そんなこと教わらなかった」と困ることや、「もっとちゃんと教わりたかった」と悔しい思いをするようなことも、けっこうあるものですね。もちろん基礎をしっかり叩き込むことがいちばん大事ですが、卒業したらすぐに即戦力となって楽しいドライブができるようなメニューもあるといいなと思います。