――FWと言えば、Jリーグ開幕初年度にチーム内得点王の永島(昭浩)さんも歴史を作ったひとりです。

松波 そうですね。僕は同じFWなので、すごく勉強になりました。点を取るための動き出しなどアドバイスももらいましたし、華やかでしたよね。日本人初のハットトリックも決めましたし。当時のガンバを象徴するレジェンドでした。

礒貝 良い意味で掴みどころがないというか、意外性のあるプレーも多かったよね。

松波 そうですね。言葉で言い表わせない凄みがありました。
 
――おふたりがガンバで一緒にプレーしたのは96年までで、ここからは97年以降のレジェンドも話したいです。例えば97年に加入したエムボマ選手はレジェンドのひとりですよね。

松波 もちろんです。

――96年に退団した礒貝さんとの共演が叶わなかったのは非常に悔やまれるなと。そこで想像上の質問です。もし礒貝さんとエムボマ選手が一緒にプレーしたら、どんなサッカーを見れたと思いますか? これは両者を知る松波さんに聞きたいです。

松波 もちろんエムボマがもっと点を取ったんじゃないかなと。……と、僕の負担が増えるかな、ふたりともあまり守備をしないので(笑)。

礒貝 ハッハッハ(爆笑)。いやいやいや〜。

松波 でも、礒貝さんが凄いところにパスを出し、それにエムボマが凄いランニングで反応し、そして凄いシュートを決める。そういう想像はできますよね。

礒貝 97年にエムボマは25点を取ったけど松波も得点は多かったよね?

松波 その年は13得点ですね。まあ、僕のことよりも、ふたりが共演したらと想像するとワクワクしますよ。

礒貝 面白かったかもね。

松波 パスを出せば、エムボマは必ず走ってくれます。

礒貝 そうだよね、対峙した相手に負けないからね。楽しい、楽しい。

――さて、97年以降で他のレジェンドはどうでしょう? おふたりが一緒にプレーした96年まででレジェンドを選んだ基準とは、また視点を変える必要があると思います。

松波 チームを象徴する存在もレジェンドと呼べますね。

礒貝 あとは長くチームに貢献している選手も。
 
――今挙がったふたつの視点で、97年以降のレジェンドを選ぶと?

礒貝 遠藤(保仁)。いろんな意味で凄い。素晴らしいよ。

松波 遠藤が加入してチームカラーが変わりましたからね。出場数、得点数、タイトル獲得数も彼が圧倒的。

礒貝 淡々としていて、冷静だし。

松波 まさに職人ですよね。

礒貝 あと他のレジェンドと言えば稲本(潤一)も。

松波 あとは明神(智和)、加地(亮)、山口智、アカデミーで育った二川(孝広)や大黒(将志)あたりもですよね。

――同じ10番として、礒貝さんは二川選手をどう見ていますか?

礒貝 ごめん、98年の引退後は違うことをやっていたから、しっかりはサッカーを見れていない(笑)。

――すみません、失礼しました。では松波さん、礒貝さんと二川選手を比較してみるとどうでしょうか?

松波 創造性や技術は同レベルです。ただ、礒貝さんのほうが「おぉ!」というプレーが多く、二川のほうが堅実。もちろん二川も「おぉ!」というプレーはありましたけど、礒貝さんとは「おぉ!」の大きさが違う。

――礒貝さんの「おぉ!」というプレーはなぜできるんですか?

松波 なんでですかね。凡人には分からないです(笑)。

礒貝 なんも考えていないよ(笑)。
 
――でも、味方に厳しく要求していたんですから、考えていないわけないですよね?

礒貝 いや、というより、話が変わるけど、逆に周りが俺に厳しく要求してこないからダメだったんだよなあ。

――もう少し詳しく教えて下さい。