破産申請した山形・大沼(C)共同通信社

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 デパートの閉店が止まらない。昨年は山形・大沼(1月)、広島・天満屋アルパーク店(1月)、新潟三越(3月)、福岡・クロサキメイト(4月)と閉店が続いた。

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 山形は大沼の閉店で“デパートなし県”になり、県民に衝撃が走った。

 この流れは地方にとどまらない。今年になって三越恵比寿店、そごう川口店など都市部にも波及。都心のデパートも地下の食料品売り場が盛況な半面、衣料品など上階フロアは客がまばらな時間帯も少なくない。

「何でもある業態自体がすでに時代遅れで、1階のブランド店もインバウンドの消滅で、風前のともしびです。ネット通販やイオンのようなショッピングセンターに客を取られたといわれていますが、車社会のアメリカではショッピングセンター自体が潰れているところも出ています」(不動産アナリスト・長谷川高氏)

 新型コロナによる外出自粛が利用者減少に追い打ちをかけ、高島屋など赤字決算のデパートも。

「都心や地方の中核都市であれば、跡地をタワーマンションや商業施設に転用しやすいですが、ある地方の駅前店舗は閉店後、1階に地元資本のスーパー、上階に自治体の分室や介護施設、保育園が入っていて、店舗形態が大きく変わっています。新たにテナントを誘致することは簡単ではなく、ゴースト化するところも出てくるでしょう」(長谷川高氏)

 そごう川口店のように、住みたい街ランキングの上位に入る駅前立地であれば、タワマンに建て替えるなど選択肢はあるが、都市部でも跡地利用が必ず成功するとは限らないと、長谷川高氏はこう話す。

「三越恵比寿店は再び商業施設になる予定ですが、テナント誘致に失敗すると全体のイメージダウンにもなりかねません。地方の場合、病院や役所、学校のある中心地に郊外の住民を集約させてインフラ維持コストを下げるコンパクトシティー化を検討するところが増えていますが、こうした流れでデパートの跡地も有効活用されるケースは増えていくでしょう」

 大沼は山形市主導で再開発の予定だが、市民からは商業施設として再生を望む声が上がっている。

 デパートの多くは中心街の一等地にある。少子高齢化、人口減少のなか、跡地がどう活用されるかに注目が集まっている。(取材・文=伊藤洋次/日刊ゲンダイ)