主にインターネット上の「検索」に関わるさまざまなサービスを作成し提供し続けている「Elastic」が、「Amazonが勝手に自社サービスを商標登録した」ことを理由にライセンスの変更を余儀なくされています。

Amazon: NOT OK - why we had to change Elastic licensing | Elastic Blog

https://www.elastic.co/jp/blog/why-license-change-AWS

Search Guard Claim Frequently Asked Questions | Elastic Blog

https://www.elastic.co/jp/blog/search-guard-claim-frequently-asked-questions

Elasticは2012年に会社として発足する以前から常にオープンソースで開発を続けてきたとのこと。Elasticsearchと呼ばれる独自の検索エンジンや、それを使った「Kibana」という製品を開発、またオープンソースコミュニティの作品に多額の投資を行うなど、常にユーザーと共にサービスを成長させていったといいます。



2011年、Elasticは個人ローンを組んで「Elasticsearch」の商標登録を行いました。しかし2015年、AmazonがElasticsearchに基づいたサービス「Amazon Elasticsearch Service」を開始します。さらにAmazonのCTOであるワーナー・ヴォゲルス氏は、Elasticとの共同開発を行っていないにもかかわらず「Elasticと共同でサービスをリリースした」とツイート。





Elasticはこれを受けて「明確な商標違反である」と反論しますが、名称は変わることなく2021年時点でもAmazon Elasticsearch Serviceは提供され続けています。

しかし2019年に転機が訪れます。9月、Elasticはセキュリティサービスを提供する「Search Guard」の製品がElasticsearch独自のコードの著作権を侵害しているとして訴訟を行いました。SearchGuardはElasticsearchの著作権で保護されたコードをコピー・改変し、自社製品に組み込んでいたとのこと。同年12月、この訴訟に際し、著作権侵害の例としてAmazon Elasticsearch Serviceなどの事例を裁判所に提供したため、法的プロセスの一環としてAmazon Elasticsearch Serviceに商標権侵害の申し立てを行うことになったとのこと。



Elasticは一連の法的手段をとった上で、2021年1月に「訴訟ではなく製品の構築と革新に集中できるように」とライセンスの変更を行いました。この変更によるユーザーへの影響はほとんど無いとし、専用のFAQページも公開されています。この変更は「他の企業がElasticsearchおよびKibana製品を使用して、Elasticと協力せずに直接サービスを提供すること」を防ぐことを目的としているとのこと。Elasticは「競合他社があらゆるFUDを広めるだろうと予想しているが、Elasticは無料でオープンな製品とコミュニティの透明性の原則を深く信じており、これをさらに発展させていくということをはっきりさせておく」と語っています。