関連画像

写真拡大

京都の学生たちに親しまれてきた「餃子の王将」出町店(京都市上京区)が、ことし10月いっぱいで閉店することがわかった。店主の井上定博さん(71)によると、年齢によるフランチャイズ契約終了という。ネット上には、閉店を残念がる声が広がっている。

「めし代のない人 お腹いっぱい ただで食べさせてあげます。但し食後30分間お皿洗いをしていただきます。18歳以上の学生さんに限定」

出町店の玄関先や店内には、こんな張り紙が掲げられており、実際に「皿洗い30分」で、定食が無料になる。店の近くにある京都大学や同志社大学の学生たちに親しまれてきた。

テレビや新聞で取り上げられたり、漫画『取締役 島耕作』のエピソードのモデルにもなった。店主の井上さんによると、現在は「皿洗い」を申し出ただけでも、「お金がなければタダ」にしているそうだ。

フランチャイズ契約で「代表者が70歳まで」ということになっているため、店舗の賃貸契約更新のタイミングとなる10月いっぱいで、閉店することになった。新型コロナウイルス感染拡大の影響ではないという。

井上さんは「けっこう反響があったみたい。みんなお客さんはずっとあるもんやと思ってたのかも。僕のことを心配してくれている人もいた。しゃーないけど、ケンカしてやめるんじゃなくて、定年だから。僕がやめたら、30分皿洗い(したい人)が困りよるかな」と話した。

● 王将フードサービス「当社ブランドにおける需要な役割を果たしてきていただいたことに対して心より感謝しております」

王将フードサービスは弁護士ドットコムニュースの取材に次のように回答した。

――閉店の理由はなんでしょうか?

出町店は、長年地元に愛された店舗であり、これまで当社ブランドにおける重要な役割を果たしてきていただいたことに対して心より感謝しております。

フランチャイズ契約は、オーナーの体力などを考慮し、70歳を目途としておりますが、当社としては後継者の育成を行って頂き、その年齢を超えても極力継続して頂くことを目指しております。今回は、残念ながらオーナーとの話し合いの結果、継続が難しく閉店されることとなりました。

――フランチャイズ代表者の定年制度をもうけた理由はなんでしょうか?

オーナーの健康面や現場で陣頭指揮を行う体力などを考慮し、70歳を目途としております。現在、フランチャイズ加盟店に対しては、後継者の育成等の事業継続に向けたサポートを行っているところです。

――学生に人気の店でしたが、反響等はありましたか?

Twitter上で閉店を惜しむ言葉、感謝の言葉が寄せられています。一部に当社とFCオーナーとの関係を誤解されたコメントが寄せられておりますが、良好な関係であることを改めてお伝えしておきます。