『ソニック・ザ・ムービー』公開3日間の興収で『名探偵ピカチュウ』破る。全世界では1億ドル突破
予告編映像におけるキャラクターの造形が物議を醸した映画『ソニック・ザ・ムービー』が2月14日に米国で公開され、最初の3日間で5700万ドル(約62.5億円)の興行収入を記録しました。これは昨年の大ヒット作『名探偵ピカチュウ』の5430万ドル(約59.6億円)を上回る勢いで、週末の全世界合計収入は1億1100万ドル(約122億円)に達するとみられます。『ソニック・ザ・ムービー』は公開後最初の週末ですでに全世界合計で1億ドルを稼ぎ出しており、メキシコや英国ではランキング1位を獲得しています。2月という、アカデミー賞発表直後で映画館に赴く人が少ないとされる時期でのヒットは、おそらく誰も予想していなかったはずです。

2019年5月、予告編公開当初の『ソニック・ザ・ムービー』は主役キャラ、ソニックが人間に近い頭身で描かれ、原作ゲームに観られる愛嬌はどこへやらといった雰囲気でした。当時劇場公開されたばかりの『名探偵ピカチュウ』に登場するポケモンたちがゲームに忠実に描かれていたこともあり、予告編を見たファンからはかなり厳しい反応があがっていました。

監督のジェフ・ファウラー氏は、ファンのあまりの拒絶反応にキャラクターの描き直しを即断、後に公開時期も3か月遅らせ2020年2月14日とすることを発表していました。おそらく、かなりの苦行になったと推測されるCGキャラの描き直し。その結果として『名探偵ピカチュウ』を上回るスタートダッシュをキメたことに、ファンは「ソニックだけに!」と感服せざるを得ないことでしょう。
『名探偵ピカチュウ』はともかく、ゲームを題材とした映画は大半が振るわずに終わるものです。特に『ソニック』の場合は最初の予告編の段階で大きく躓いており、失望したファンも多かったはず。それをここまでの成功に導いたのは、全編描き直しの英断がファンの興味を引いたのかもしれません。また注目作の少ない時期の公開になったことや、ジム・キャリーやジェームズ・マースデンといった人気俳優を擁していたことも助けになった可能性もあります。

ちなみに、やはりCGビジュアル面で物議を醸したミュージカル作『キャッツ』は劇場公開後にCGを一部調整するなどイレギュラーな対応もあり、北米全体での興収は公開8週で2720万ドルに終わっています。

映画『ソニック・ザ・ムービー』日本公開は、米国にやや遅れて3月17日の予定です。
Source: Hollywood Reporter,, Deadline